女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が小川直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第104回が20日に放送される。次回は、患者一人ひとりの状態に合わせた看護を実践するりんの姿と、これまで追い続けてきた小説家への道を断念したシマケンこと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)が新たな人生を選ぼうとする姿が描かれる。看護婦として成長していくりんと、人生の転機を迎えたシマケンが、それぞれ「定め」とどう向き合い、どのような「選択」をするのかが見所となる。
朝ドラ「風、薫る」第104回(8月20日放送予定)あらすじ
雨の日、りんは、リウマチを患う宮川佳枝(相田翔子)の元を訪ねる。この日の佳枝は調子が悪く、手のこわばりで食事が思うようにとれず落ち込んでいた。そんな佳枝を気づかうりんは、食事がしやすくなるよう工夫する。
一方、シマケンは、直美からりんの話を聞き…。
朝ドラ「風、薫る」第21週「定めと選択」(第101~105回)ストーリー展開【振り返り】
シマケンは小説の執筆に専念し、りんは弁当を届けるなどして支えた。そんななか、帝都医大附属病院の内科教授・木村文平(前野朋哉)が恵風看護婦会を訪れ、佳枝の派出看護を依頼する。長期的な看護が必要なため、直美はりんを担当に指名する。「元家老の娘・一ノ瀬りんを、うちの看板看護婦にする」。裕福な患者の家に出入りすることが、貧しい人々への看護を続けることにもつながると説明し、りんも受け入れた。
りんに思いを寄せてきた幼なじみの竹内虎太郎(小林虎之介)はある日、りんとシマケンの仲睦まじい様子を目撃し、りんの気持ちを察する。「我欲の塊」と自分を卑下するシマケンを虎太郎は「血反吐吐くまで努力しろ!」と叱咤。自身も、りんの隣に立てる人間になろうと努力してきたと振り返り、りんをシマケンに託した。
その後、ついにシマケンの小説が新聞で連載されることが決定。シマケンはりんのもとへ駆けつけ、「再来週の月曜…見てください、明光新報!」と報告する。りんも「やりましたねシマケンさん!」と喜び、2人は思わず手を握り合った。直美も「それでもまだグズグズしてたら、私がシマケンさんのお尻を叩く」と2人の結婚を後押しする。
りんは佳枝の看護を開始。何をしても治らないと諦めていた佳枝も、りんの丁寧な看護に心を開き、今後も看護を頼みたいと話す。ある日、看護婦の織田しのぶ(木越明)は自分が妊娠4カ月であることを報告。仕事が忙しくなるなか「迷惑をかけて」と謝るしのぶに、直美は「妊娠を迷惑などと、看護婦が口にするのは断じて許しません」と諭した。
そんななか、シマケンの義姉・絹(金澤美穂)が突然訪ねてくる。兄・万太郎が事業への投資に失敗して借金を残し、姿を消したという。
そして、連載開始の月曜。りんが期待して新聞を開くが、シマケンの小説は掲載されず、別の新人作家の連載が始まっていた。新聞社を訪れたシマケンは、広告主の親族である作家の作品に急きょ差し替えられたと知る。編集長の綿貫正平(小松和重)は「運でも努力でもない。強さがないんだよ、キミの書くものには」と告げ、「純粋で美しい。が、どうしようもなく強さがない」と原稿を返した。シマケンは「僕には…才能がないってことですね」と絶望した。
朝ドラ「風、薫る」第103回(8月19日放送)振り返り
第103回では、小説家になる夢を諦めたシマケンが、家族の事情をきっかけに浜松へ戻る決意を固め、りんに「一緒に浜松に来てほしい」と伝える。一方、直美は身寄りのない男性への無償の看護を通じ、貧しい人や病を抱える人に手を差し伸べる恵風看護婦会の役割と向き合う。それぞれが人生や仕事について新たな選択を迫られる展開となった。
【以下、ネタバレ】
りんがシマケンの家を訪ねると、部屋の本が片付けられていた。シマケンは明るく、新聞に連載が載らなかったことを謝罪し、「なくなったんだ、連載が。小説家は…もう…諦めることにした」と言った。りんは「いいんですか? 今まであんなに…」と心配するが、シマケンは「よくはないけど、しかたない。僕には無理だったっていいかげん分かった。それだけのことが分かるのに随分かかった」と自嘲気味した。「シマケンさんが、活字工でも、お坊さんでもお相撲さんでも何者でも。ううん…何者でなくたって構いません。私には、私には、ただ…いとおしい人です」。シマケンはりんを抱き締め、「それは…僕が言いたかった」と思いを伝える。りんは「すみません…」と謝り、2人で抱きしめ合った。
ある日、ヤエ(小山まりや)という女性が無償の看護を依頼しに訪ねてきた。近くに住む遠藤平蔵(太田光)がけがをしたが、平蔵には身寄りがないという。話を聞いた直美は平蔵が暮らす長屋に向かった。部屋の中は物が散らかり、平蔵は酒を飲んでいた。転んで頭をぶつけただけで、大したことはないという。直美は念のため町医者を呼び、診療費を支払う。
平蔵は「礼は言わねぇよ」と悪態をつきながら、無償で看護する理由を聞く。直美は「私たち恵風看護婦会は、医療や看護を受けられない貧しい人、弱った人にこそ手を差し出したいと思って…」と答えるが、平蔵は「俺は体を壊して稼げないから貧乏だ。病気をしているから体も弱い。けど弱い人間じゃないと思ってるよ。こんな場所で生きていけるんだから、案外強いんじゃないかってね」と反論した。直美には返す言葉がなかった。
シマケンの元に、絹が息子の文史朗(二ノ宮陸登)を連れて再び訪ねてきた。絹は、万太郎はもう戻ってこないと考えていた。そして店も家も借金のカタに取られ、来月には住むところがなくなると話し、シマケンに、浜松に戻ってきてくれないかと頼んだ。泣きだしそうな絹を見て、文史朗が慰めようと変顔でおどけてみせた。シマケンは蒸しパンをちぎって差し出す文史朗を見つめた。
悩んだ末、シマケンは心を決め、りんに会いに一ノ瀬家へ。浜松に帰ることを伝え、りんに、「僕と一緒に浜松に来てほしい」と頼んだ。りんは「あの…、少し、考える時間をいただけますか」と返すのが精いっぱいだった。

