●「本人が贈った」と誤解させることも問題
また、人の氏名は個人の人格の象徴であり、みだりに他人に氏名を利用されない利益は、人格権の一環として法的に保護されています。
本人の許可なく氏名を使い、あたかもその有名人が祝い花を贈ったかのように見せる行為は、こうした氏名に関する権利・利益を侵害する可能性があります。
さらに、本人が意図しない店舗と関連付けられることによって、イメージの低下や社会的評価の悪化を招いた場合には、名誉権や名誉感情などの人格的利益の侵害として、慰謝料などの損害賠償責任が生じる可能性もあります。
●不正競争防止法上の問題も
このほか、有名人の氏名が著名な営業表示などとして機能している場合には、無断使用によって他人の営業と混同を生じさせる行為として、不正競争防止法2条1項1号が定める「不正競争行為」に該当する可能性もあります。
いずれにしても、有名人の名前だからといって、本人の許諾なく自由に使えるわけではありません。
とりわけ、本人が店を応援している、あるいは店と何らかの関係があるように見せて、集客などに利用する行為には、複数の法的問題が生じるでしょう。
ちなみに私も最近、支店を開設したので、多くの祝い花を頂戴しました。もちろん、有名人からはいただいていません。
【取材協力弁護士】
西口 竜司(にしぐち・りゅうじ)弁護士
大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。Xリーグ選手でもある。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
事務所URL:http://www.kobemarin.com/

