「ぽっこりお腹」が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「ぽっこりお腹」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
便秘
便秘のほとんどは、食生活の乱れ、運動不足、ストレスなどで腸の動きが悪くなる「機能性便秘」です。お腹が張る原因にもなります。まずは、水分や食物繊維を多く摂る、運動する、規則正しい排便習慣をつけるといった生活習慣の改善が基本です。
改善しない場合は薬物療法が行われます。市販薬が効かない、腹痛や血便がある、急に便秘になった場合は、他の病気の可能性があるため、消化器内科などを受診しましょう。
肥満症
肥満症とは、単に体重が多い「肥満」の状態に加えて、その肥満が原因で高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気の合併が予測される状態を指します。主な原因は、摂取カロリーが消費カロリーを上回る状態が続くことです。治療の基本は、食事療法と運動療法です。摂取カロリーを適切に制限し、ウォーキングなどの有酸素運動を継続することが中心となります。これらの方法で改善が難しい場合や、健康障害のリスクが非常に高い場合には、薬物療法や外科手術が検討されることもあります。BMIが25以上(特に30以上の方)で、健康診断などで高血圧、高血糖、脂質異常などを指摘された場合は、内科で相談しましょう。内科、内分泌内科、糖尿病内科、または「肥満外来」などの専門外来の受診も検討しましょう。
腸閉塞
腸閉塞とは、過去の腹部手術による腸の「癒着」や大腸がん、腸がねじれること(腸捻転)、腸の動き自体が麻痺することで腸の中身が流れなくなることでも起こります。そのため、お腹がパンパンに張り、ぽっこりお腹の状態になります。腸閉塞は緊急を要する病気です。治療は、まず絶食・絶飲とし、点滴で水分や栄養を補給します。鼻から管を入れて、腸に溜まった内容物を排出させることもあります。癒着が原因の場合はこれで改善することも多いですが、場合により、緊急手術が必要となります。激しい腹痛、嘔吐、排便・排ガスの停止、お腹の急激な張り。これらの症状が揃ったら、ためらわずに救急外来を受診してください。
大腸がん
大腸がんとは、大腸(結腸・直腸)の粘膜に発生するがんです。初期の段階では自覚症状がほとんどありませんが、がんが大きくなると、腸の内側が狭くなり、便が通りにくくなることがあります。その結果、便秘になったり、お腹が張ったりして、ぽっこりお腹の原因となることがあります。治療法は早期であれば内視鏡(大腸カメラ)、進行している場合は、外科手術が治療の中心です。さらに進行している場合や、再発予防のために、化学療法(抗がん剤)や放射線治療などを組み合わせて行うこともあります。便秘、便が細くなった、血便(便に血が混じる、便が黒い)、腹痛、お腹の張りが続く、理由のない体重減少。これらの症状がある場合は、早めに消化器内科を受診してください。また、症状がなくても、40歳を過ぎたら定期的に大腸がん検診(便潜血検査)を受けることが重要です。消化器内科、消化器外科を受診しましょう。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。小さいうちは無症状ですが、大きくなったり場所によっては、過多月経、月経痛、貧血、不妊の原因となることがあります。症状がなければ経過観察となりますが、症状が強い場合や不妊の原因となっている場合は、ホルモン療法や手術などの治療が検討されます。月経量が多い、ひどい月経痛、貧血、しこりが触れる、頻尿などの症状があれば、婦人科を受診しましょう。
「ぽっこりお腹」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ぽっこりお腹」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
痩せ型なのですが、お腹だけがぽっこりしているのはなぜでしょうか
齋藤 雄佑(医師)
痩せている方でもお腹だけがぽっこりと目立つことは珍しくありません。主な原因として、腹筋の筋力が低下し、内臓を定位置に支えきれず下がってしまう「内臓下垂」が考えられます。また、猫背や「反り腰」といった姿勢の悪さが、お腹が前に突き出る原因となることも少なくありません。そのほか、痩せている方でも便秘に悩む方は多く、腸内に便やガスが溜まることでお腹が張っている可能性もあります。
少し食べただけでもお腹がぽっこりするのはなぜでしょうか
齋藤 雄佑(医師)
食後に下腹部がぽっこりと出るのは、胃の膨張や腸の動きである程度は自然な現象です。しかし、食べた量に対して極端に出る場合、内臓下垂や腹筋の筋力低下によって胃が下がった位置で膨らむ(胃下垂)ため、目立ちやすくなっている可能性があります。また、早食いや空気を飲み込む癖(呑気症)、あるいはイモ類や炭酸飲料などガスが発生しやすい食品の摂取によって、胃や腸にガスが溜まっていることも原因として考えられます。
下っ腹がぽっこり出ている原因は何でしょうか
齋藤 雄佑(医師)
下っ腹がぽっこりする原因は運動不足や食生活による「皮下脂肪」の蓄積が考えられます。特に女性は皮下脂肪がつきやすい傾向があります。それに加えて、腹筋の筋力低下による「内臓下垂」や、骨盤の歪みによる「姿勢の問題」も、下腹部が突き出て見える大きな原因です。また、「便秘」によって腸内に便やガスが溜まっている状態も、下腹部の張りを引き起こします。女性の場合、これらに加えて、生理周期に伴うホルモンの影響(むくみや便秘)や、産後の腹直筋離開、あるいは子宮筋腫や卵巣腫瘍といった婦人科系の病気が隠れている可能性も考慮する必要があります。
下腹部に脂肪がついてぽっこりしている人におすすめの筋トレはありますか?
齋藤 雄佑(医師)
下腹部の脂肪を減らすためには、まず食事の見直しと、ウォーキングなどの「有酸素運動」で体の脂肪を燃焼させることが基本となります。その上で、「筋力トレーニング」を組み合わせることは非常に有効です。おすすめのトレーニングとしては、プランクやスクワットがおすすめです。プランクはうつ伏せで、肘とつま先だけで体を支えるものです。週2−3回程度1日20-30分の運動をやりましょう。スクワットは膝が前に出ないようにして、無理のない高さで行いましょう。腰を痛めないよう、正しいフォームで行うことが最も重要です。

