専属シェフの仕事は「提案力」より「適応力」
レストランのシェフは、自分の考えた料理を「どうですか」と提案する仕事です。しかし専属シェフに求められるのは、それとは違う力だと加藤さんはいいます。
「提案力っていうよりは適応力。旬の食材と旨味の組み合わせに加えて、栄養素、その人の顔まで想像しながら提供する。情報としての要素が増えたっていう感じです」
その根底にあるのが、コミュニケーションです。日々の会話や様子から本人の状態を汲み取っているからこそ、細かな味付けの加減は、あえて本人に聞かずに自分の判断で決めているのだそう。
その日の天気で発汗量を予測し、練習が1部練か2部練かで疲労度を読み、酸味を効かせてさっぱりさせたり、必要なタンパク質やミネラルを補える食材を選んだり。本人に逐一確認せずとも、観察と対話の積み重ねから最適な一皿を組み立てていくのです。
筋肉系の怪我と食事の関係についても、加藤さんは明確な持論を持っています。
「重要なのは油ですね。良質な油をどれだけ摂取できてるかが、かなりキーになってきます」
特に青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸を日々の食事で摂れているかどうかが、怪我の予防に大きく関わってくるといいます。
「今日もありがとう」に支えられた10年
10年間そばで見てきた長友選手について、加藤さんが最も驚かされるのは「時間の使い方」だといいます。
「タイムイズマネーってビジネスでは言いますけど、時間って唯一お金で買えないもの。その時間をどう有効活用するかを、もうほんとに徹底されている」
そして、サポートのたびに必ず玄関まで見送りに来て、欠かさずかけてくれる言葉があります。
「今日もありがとうございましたって、10年間欠かさずやってきてくださった。それが僕自身、続けてこれた要因ですね」
理論派なシェフの顔とは裏腹に、素顔の加藤さんはどこか人間味にあふれています。海外から一時帰国するたび必ず食べたくなるのは、豚汁と納豆ごはん。腸活にかなった理にかなう組み合わせだと語る一方、体に悪いとわかっていても好きなものを聞かれると、こう答えました。
「担々麺が好きですね。ただ僕、必ずお腹下すんです。それでもご褒美的に、定期的に食べたくなりますね」
ご視聴はこちらから
🎵Spotify
https://hubs.li/Q02qmsmm0
🎵Amazon Music
https://hubs.li/Q02qmslg0
🎵Apple Podcast
http://hubs.li/Q02qmztw0
第84回・第85回(7月3日・10日配信) 加藤超也さん
1984年生まれ。株式会社Cuore所属。2016年からサッカー日本代表・長友佑都選手の専属シェフに就任。医学的エビデンス×機能性のある料理を追求し、多ジャンルのアスリートのサポート、食についての情報発信をしている。2020年から無添加・化学調味料・保存料不使用のプレミアム・ポタージュ「THE POTAGE」をプロデュース。書籍監修に『長友佑都のファットアダプト食事法』(幻冬舎)著書に『食べて脂肪が燃える魔法のレシピ』(幻冬舎)『今日もお疲れさま!超回復めし』(主婦の友社)『鶏が主役!超たんぱくめし』(主婦の友社)。
Instagram:@cuore_kato
X:@cuore_kato
クックパッド株式会社 小竹 貴子
料理愛好家・ 料理の楽しみ共創室 部長/創業期から参画し、初代編集長としてメディアづくりに携わる。現在は、料理家や生産者といった食のつくり手の声を届ける活動を行っている。「日経ウーマンオブザイヤー2010」受賞。プロの技術や食材の背景にある物語を、暮らしに馴染む言葉で伝えることをライフワークに、生活者の目線で食の楽しさを探求している。
X: @takakodeli
Instagram: @takakodeli

