●国立公園なら「餌付け」も問題に
さらに今回の現場は国立公園内にあるという。この点から、自然公園法に抵触する可能性もある。
自然公園法37条1項は、国立公園や国定公園の「特別地域」「海域公園地区」「集団施設地区」で、一定の行為を禁止している。次のようなものだ。
「当該国立公園又は国定公園の利用者に著しく不快の念を起こさせるような方法で、ごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること」(37条1項1号)
「野生動物(鳥類又は哺乳類に属するものに限る。以下この号において同じ。)に餌を与えることその他の野生動物の生態に影響を及ぼす行為で政令で定めるものであつて、当該国立公園又は国定公園の利用に支障を及ぼすおそれのあるものを行うこと」(37条1項3号)
そのため、今回の現場が同法の対象区域にあたり、仮にクマなどの野生動物に食べさせるために食パンや鶏肉を道端に置いたのであれば、自然公園法上の規制対象となる可能性がある。
1号に違反したり、国や都道府県の職員の指示に従わず3号の行為をした場合、30万円の罰金が科される可能性がある。

●「食べ物を置いただけ」では済まない可能性
道路脇に食べ物を捨てる行為は、廃棄物処理法や軽犯罪法に抵触する可能性がある。さらに国立公園内の一定の区域では、自然公園法の規制も問題になり得る。
とりわけ、野生生物への餌付けにつながれば、単なる「ゴミ捨て」にとどまらない。クマなどが人の食べ物を求めて道路や人里に近づくようになれば、人身被害の危険も生じる。
今回、誰がどのような目的で食パンや鶏肉を置いたのかは現時点では明らかになっていない。仮に「動物に食べさせるため」だったとして、安易な行動は慎む必要がある。

