区役所もカフェも信金も。まちの風景がそのまま展示室になります
昨年実施した区役所を活用したライブペイント
展示されるのは、区民から公募された120作品以上。テーマは「宮前区」「希望」「面白い」「つながり」の4つだ。プロのアーティストではなく、この街に暮らす人たちの手による作品が、いつもの通り道や立ち寄り先に並ぶ。それだけで、見慣れた風景の意味が少し変わる気がする。
主催はアースリングスプロジェクトと宮前区役所。アートを「鑑賞するもの」から「まちに溶け込むもの」へと読み替える、ユニークな3か月間がはじまる。
「美術館に行く」のではなく、「美術館のなかを歩いている」感覚
この展覧会の面白さは、作品そのものだけではない。むしろ「どこで出会うか」にこそ本質がある。
たとえば、区役所の2階ロビーで手続きの合間にふと目に入る絵画。あるいは、信用金庫の窓口横に飾られた「希望」をテーマにした立体作品。喫茶店でコーヒーを待ちながら眺める、見知らぬ誰かが描いた宮前区の風景——。
美術館という「特別な場所」に足を運ぶのではなく、日常の動線のなかに作品が点在しているからこそ、アートとの出会い方が変わる。作品を「鑑賞しに行く」のではなく、「気がついたら見ていた」という体験。それは、まちとアートの関係を考え直すきっかけにもなるのではないだろうか。
期間中はスタンプラリーも実施される。11か所の展示箇所を巡り、集めた個数に応じて特製アートカードや宮前区のイメージキャラクター「宮前兄弟メロー・コスミン」のグッズがもらえる仕組みだ。スタンプを集めるために歩くうちに、普段は通らない道や知らなかったお店と出会う——スタンプラリーそのものが、まちを再発見する装置になっている。

