7合目に女の子がひとり…親の行動にゾッ
筆者が小学生の時に実際に経験した忘れられない出来事もあります。数十年前のこと、父親と共に富士登山をしていた際、ひとりで登る小学校4年生くらいの女の子がいました。話しかけたところ、その女の子は山形から家族で富士登山をしにきていたと言います。体調不良となり7合目で休んでいたところ、しびれを切らした家族が「登頂して戻ってくる」と山小屋休憩所に残して行ってしまったそう。
しばらく待っていたけど不安になって、ひとりで家族を追って登り始めたのだとか。同世代くらいの私がいるからと、父と私とで途中まで一緒に登りましたが、8合目で彼女は高山病で嘔吐。山小屋に託し、警察に連絡をしてもらうことにしました。
後日、父が女の子に渡していた名刺を頼りにお礼の手紙が届き、無事が確認されました。ですが振り返ると、富士山という危険な山に小さな子供をひとりで残したその子の親にゾッとします。山形からきたからには、どうしても登頂したいという気持ちはわかりますが……。
それ本当に「子供のため」ですか?
筆者は今年、小学3年生の子どもを連れて、家族3人で富士登山にアタックしました。しかしながら、子どもは足が痛いと7合目で断念することに。私だけ登頂をし、子どもは夫と共に下山しました。自身が小学3年で登頂したため、自分ができるなら我が子も大丈夫だと甘く見ていたことを実感しました。
日本最高峰・富士山にわざわざ親子で登頂を目指す理由としてあげられる大きな理由は「子どもを成長させたい」「頑張った子どもを自慢したい」。そして、いざ予定を立ててしまったからには「お金や時間がもったいない」という親本位の理由がほとんどではないでしょうか。根性を養い、不便な生活を実感できる富士登山は何ものにも代えがたい経験でしょう。ただ、それで親子関係に亀裂が走ったり、他の人や救助隊に迷惑をかけたり、その後の健康に重大な支障をきたすようなことになったらもってのほかです。

