俳優の仲野太賀が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合ほか)の第32回が23日に放送され、羽柴筑前守秀吉(池松壮亮)と柴田勝家(山口馬木也)が雌雄を決した賤ケ岳の戦いで、前田利家(大東駿介)が羽柴方につくまでの葛藤が描かれた。勝家への忠義と、秀吉が掲げる新しい世への期待の間で揺れた利家だったが、その決断を後押ししたのが、妻・まつ(菅井友香)が冬の間に語った「雪はこの北国に平穏をもたらしまする。いっそこの日の本中にずっと雪が降ればいいのに」という言葉。平和を願う妻の思いが戦場に降り始めた雪によって利家の胸によみがえり、その選択につながる構成に大河ファンが唸り、SNSに大きな反響が寄せられている。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる兄・秀吉を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
「サブタイ『利家とまつ』のほうがしっくりくる」
この日の放送では、亡き織田信長(小栗旬)の遺志を継ぎ、天下人を目指す秀吉と、信長の孫である幼い三法師(清水伊織)を支えながら織田家を守ろうとする勝家の対立が激化。雪が解ければ、両者の直接対決は避けられない状況となっていた。
そんななか、秀吉は勝家の右腕である利家のもとを訪ね、羽柴方につくよう説得する。勝家には新しい世をつくることはできず、自分が天下人となって信長の夢を実現すると野心を語るが、利家はその言葉に激怒し、秀吉を追い出してしまう。
後日、秀吉討伐を宣言した勝家主催の宴で、利家は勝家に天下人となってほしいと真剣に訴える。だが勝家は、織田家を守り、いずれ三法師を天下人にすることこそ自分の役目だと憤慨。利家は勝家への忠義を抱きながらも、信長の後を継ぐ者として勝家を見たいという願いを受け入れてもらえず、苦悩を深めていく。
やがて雪が解け、羽柴・柴田両軍は北近江で対峙。信孝が岐阜で挙兵したため秀吉の本隊が戦場を離れ、数で劣る羽柴軍は苦境に立たされた。勝家は先鋒の佐久間盛政(遠藤雄弥)を救援するよう利家に命じる。
その時、戦場に雪が降り始めた。
利家の脳裏によみがえったのは、冬の間にまつが口にした「雪はこの北国に平穏をもたらしまする。いっそこの日の本中にずっと雪が降ればいいのに」という言葉。北国では、冬の雪が戦を止める。その雪を、まつは「平穏」の象徴として捉えていた。降雪は戦場に立つ利家に、妻が願った争いのない世を思い起こさせ、「新しい世をつくる」と語った秀吉と、織田家を守るという信念を貫く勝家との違いを改めて突きつけた。
利家は秀吉を選んだ。勝家の命令に背き、本陣へ姿を現した利家は、仏門に入って秀吉に降伏するよう進言。拒否した勝家は刀を抜き、2人は激しくぶつかり合った。激闘の末、勝家は利家を討たず、「二度とその面をわしに見せるな!」と言い放つ。利家は「わしは! 親父殿に、上様の後を継いでほしかった!」と本心をぶつけるが、勝家の答えは「その願いは、別の者と果たせ」
勝家への思いを断ち切った利家は秀吉のもとへ向かい、「約束しろ! 天下人になるなら、この日の本にずっと雪を降らせろ!」と迫った。「わかった」と約束する秀吉に利家は深く一礼し、秀吉もまた深く頭を下げた。
ここで利家が口にした「雪」は、単なる自然現象ではなく、まつが願った平穏を、秀吉が実現する新しい世に重ねたもの。降雪をきっかけに妻の言葉がよみがえり、その願いを秀吉に託すまでの流れによって、利家の裏切りは単純な勢力争いではなく、彼自身が望む未来を選び取る決断として描かれた。
SNSには、
「奥さんのためか…」
「まつの言葉は重く、切ない」
「本当に日の本中に公平に雪が降ればいいのに」
といったコメントが寄せられた。また、
「平穏の象徴が雪…」
「まつの言ってた雪が利家の決心を固めさせる最後のアイテムになるのか…」
「雪に違う意味を与えるセリフ、痺れる」
など、冬の場面で語られた何気ない一言が、賤ケ岳の戦いで利家の決断を動かす重要な伏線として回収されたことに注目する視聴者も多かった。さらに、

