筆者の体験です。部下から預かった「ある秘密」を、管理職としてどう守るべきか悩み続ける日々が続いて──。
突然の報告
「少しお話があります」
コールセンターで管理職をしていた頃、ある部下からそう声をかけられました。
会議室で話を聞くと、妊娠したという報告だったのです。
最近は体調不良で休む日が増えていたため、何かあったのではないかと心配していました。
体調不良の原因が分かり、大きな病気ではなかったことにほっとしました。
会社へ必要な報告を済ませると、本人は少し申し訳なさそうな表情でこう続けました。
「安定期に入るまでは、チームのみんなには言わないでほしいんです」
もちろん私は、そのお願いを受け入れました。
広がる憶測
その後も、彼女は体調によって急に休む日がありました。
シフトを調整する立場だった私は、そのたびに周囲へ業務の割り振りを行います。
すると、少しずつチーム内でも変化に気づく人が出てきました。
「最近休みが増えていますよね」
そんな声が聞こえ始め、やがて、
「もしかして妊娠したんじゃないですか?」
と直接聞かれることもあったのです。
事情を知っている私は、どこまで答えていいのか、答えに困ります。
けれど、おめでたい話だからといって、本人より先に私が伝えるわけにはいかなかったのです。

