女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が小川直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第107回が25日に放送される。日清戦争の開戦から3カ月が過ぎたなか、直美の妊娠が判明。出征を控える夫・吾郎(甲斐翔真)と新たな命を授かった喜びを分かち合う一方で、戦争が夫婦の未来に影を落とし始めた。第107回では、母になることへの不安を抱える直美のもとをりんが訪ねるほか、戦時下の看護に携わる玉田多江(生田絵梨花)の職場にも新たな動きが訪れる。直美の人生に訪れた「明るい未来」と、戦争によって厳しさを増す看護の現場が交錯する重要な1回となる。
朝ドラ「風、薫る」第107回(8月25日放送予定)あらすじ
子供の名前のことを話そうとする吾郎を直美ははぐらかす。ある日、立ちくらみを起こした直美を心配したりんは小川家を訪ねる。一方、養成所でりんや直美たちと共に学んだ多江が働く陸軍予備病院を大山捨松(多部未華子)が慰問することになる。
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第106回では、日清戦争のさなか、直美の妊娠が判明。出征を控える吾郎との間に新たな命を授かった喜びが描かれる一方、戦争によって夫婦の未来に大きな不安も影を落とす。直美は看護婦としての仕事と母になることの両方に戸惑いを見せながら、吾郎とともに新しい家族を迎える決意を固めていく。また、戦地の病院で看護にあたる多江は女性看護婦への偏見にさらされ、りんは病と向き合う佳枝を支えるため新たな看護の工夫を見せる。戦時下でそれぞれの立場から看護に向き合う女性たちの姿と、直美の人生を大きく変える妊娠が重なる重要な回となった。
【以下、ネタバレ】
日清戦争開戦から3カ月。連戦連勝を伝える新聞記事を傍らに、小川家では穏やかでありながらも、どこか微妙な朝を迎える。吾郎の制服のボタンが取れかかっているのに気づいた直美は、不器用な手つきで針仕事に悪戦苦闘。「もう、どうしてこんなにすぐボタン取れちゃうの? 何、私の付け方のせい?」と拗ねる直美に、吾郎は慌てて首を振った。
恵風看護婦会の事務所で体のだるさを感じて座り込む直美に、りんは「もしかして赤ちゃんじゃない?」と問いかける。直美は「え? あ…」と察し、りんは「おめでとう!」と喜ぶが、直美はどこか素直に喜べない。戦時下という状況もあり、仕事で帰りが遅くなる日が増えた吾郎に、直美はなかなか妊娠の事実を伝えられずにいた。
そんなある日、事務所に多江からの手紙と新聞記事の切り抜きが届く。広島の陸軍病院で負傷兵の看護にあたる多江だが、地元紙に「看病で触れ合い、生じる恋情」という、不適切な関係を疑うような投書記事が掲載されてしまったという。多江は、軍人患者から、治療中であってもみだりに女性と話してはいけないなどと不当な叱責を受けながらも、懸命に看護を続けていた。直美は「腹が立つ…」と悔しさを募らせる。
一方、りんは派遣先の宮川家で、リウマチに苦しむ男爵家夫人・佳枝(相田翔子)の看護にあたっていた。自分で起き上がれないもどかしさを抱える佳枝のため、りんはベッドに固定できるイスを手すり代わりに工夫するなど、佳枝を支えた。
看護の現場でそれぞれが課題に向き合うなか、なかなか吾郎に妊娠のことを言い出せない直美は、「私…お母さんになれると思う?」と不安を吐露する。りんは「直美さんはねぇきっと怖くて、ほめ上手ないいお母さんになると思う」と明るく背中を押した。
その夜、直美は、帰宅した吾郎との夕食の席で、ついに妊娠について打ち明ける。「吾郎さん、出征の時期はいつ頃になるか、大体でもわからない?」「吾郎さんが行く前に産みたいって思って。赤ちゃん。いるみたい。赤ちゃん、ここに」。直美はそう言ってお腹を押さえた。驚きながらも喜びを噛み締める吾郎は、「よかった…。よかった。直美が、うれしそうで」と目を細める。「いい母親になれるかわからないから、一緒によろしくね」と頼む直美に、吾郎は「もちろん…。大丈夫。少しくらい料理が雑でも、縫い目がガタガタでも、子供はたくましく…」と優しく応じた。「何? 悪口?」。不満そうな直美に、吾郎は「違う違う違うっ」とおどける。2人はいつものように笑い合った後、直美は吾郎の手を取って自らのお腹へと導いた。新たな命の存在を感じた吾郎は、休日、1人で生まれてくる子供の名前を考えた。
一ノ瀬家では、母になる直美が、りんの母・美津(水野美紀)から裁縫の指導を受けていた。必死に手元を動かす直美に、美津は「直美さんがお母さんですか…」と笑う。和やかな時間を過ごしていたところへ、派出看護婦の川口ツル(うらじぬの)が息を切らせて駆け込んでくる。急を告げるツルとともに、直美は恵風看護婦会へ戻る。事務所の戸を開けると、そこに捨松がいた。「おひさしぶり」。捨松はそう言って、直美に笑顔を向けた。

