介護しやすい間取りの特徴とは|在宅介護の広さと工夫を解説

介護しやすい間取りの特徴とは|在宅介護の広さと工夫を解説

在宅での介護を続けるうえで、住まいの間取りは介助のしやすさや安全性を大きく左右します。段差や狭い通路は転倒や介助の負担につながる一方、動線や配置を工夫すれば、本人も家族もぐっと過ごしやすくなります。車椅子での移動や水回りの動線、バリアフリー化など、見直せるポイントは少なくありません。

本記事では介護しやすい間取りについて、以下の点を中心に紹介します。

介護しやすい間取りの基本的な特徴と居室の考え方

車椅子での生活を支える広さや動線の工夫

バリアフリー化やリフォーム、住宅改修の進め方と相談先

介護しやすい間取りについて理解を深めるためにも、ぜひ最後までお読みください。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護しやすい間取りの基本と特徴について

介護しやすい間取りの基本と特徴について

介護しやすい家の間取りにはどのような特徴がありますか?

介護しやすい家の間取りは、段差が少なく、移動の動線が短くまとまっていることが大きな特徴です。

介護を受ける方の居室を、トイレや浴室、リビングの近くに配置すると、移動や介助の負担を減らせます。あわせて、車椅子でも通れる廊下やドアの幅を確保し、手すりを取り付けやすい壁の配置にしておくことも大切です。また、床材を滑りにくいものにする、扉を引き戸にするなど、転倒を防ぐ工夫も安心につながります。

日当たりや、家族の目が届きやすいかどうかにも配慮すると、介護する側と介護される側の双方が、安心して過ごしやすくなります。将来の身体状況の変化も見据えて計画するとよいでしょう。

在宅介護の居室(介護部屋)はどこに置き、広さはどのくらい必要ですか?

介護部屋は、トイレや浴室に近く、家族が様子を確認しやすい場所に設けるのが基本です。

1階のリビング近くに配置すると、移動が短くなり、本人が孤立するのも防ぎやすくなります。広さは、介護用ベッドを置き、車椅子や介助のためのスペースを確保することを考えると、6畳以上を目安にするとゆとりを持ちやすくなります。車椅子を使う場合や、複数人で介助する場合、リフトなどの福祉用具を使う場合は、さらに広さがあると動きやすくなります。

窓からの採光や風通し、ベッドの位置、収納の配置なども含めて計画すると、本人も過ごしやすく、介助もしやすい居室になります。

参照:『在宅サービスに対応した住宅を考えるヒント(案)自宅で住み続けられる「終の住処」のアイデア・工夫』(国土交通省)

二階建ての家で介護をするときの注意点を教えてください

二階建ての家では、階段の上り下りが転倒などの事故につながりやすいため、生活の中心をなるべく1階にまとめることが大切です。

居室やトイレ、浴室、リビングを1階に配置できると、階段の移動を抑えられます。どうしても上下階の移動が必要な場合は、階段に手すりを設けたり、滑りにくい床材にしたり、足元を明るく照らしたりといった対策が有効です。段差の位置がわかるように色分けする工夫も、転倒予防に役立ちます。

将来的に、ホームエレベーターや階段昇降機を設置できるよう、スペースや構造に余地を残しておくことも一案です。まずは1階だけで生活が完結できるかを確認しておくとよいでしょう。

介護しやすい間取りの広さと動線の工夫について

介護しやすい間取りの広さと動線の工夫について

車椅子で使うトイレや浴室、廊下の広さや幅の目安を教えてください

車椅子で移動する廊下の幅は、85cm以上を目安としてを確保すると通行しやすくなります。方向転換を伴う場合は、廊下幅を広めにとると回転しやすくなります。

トイレは、出入り口の有効幅を85cm以上確保するとともに、トイレの幅(短辺)を130cm以上確保すると、車椅子での出入りや便器への移乗、介助がしやすくなります。浴室も、出入り口の段差をなくし、洗い場や浴槽まわりに介助や手すりのためのスペースを設けると、安全に使いやすくなります。

これらはあくまで目安で、本人の身体の状態や介助の方法によって必要な広さは変わります。実際の寸法は、専門職に相談しながら決めるとよいでしょう。

参照:『高齢者が居住する住宅の設計に係る指針』(国土交通省)

介護しやすくするための生活動線や水回りの配置の工夫はありますか

生活動線は、居室からトイレや浴室、洗面、キッチンといったよく使う場所へ、できるだけ短く、行き止まりが少なくなるように整えることがポイントです。

特にトイレは使用頻度が高いため、居室のすぐ近くに配置すると、移動や介助の負担を減らせます。水回りをまとめて配置すると、動線が効率的になり、家事や介助もしやすくなります。あわせて、床の段差をなくす、通り道に物を置かないようにする、手すりを要所に設けるなど、つまずきや転倒を防ぐ工夫も行うとよいでしょう。

夜間のトイレへの移動を考え、足元灯を設けるのも安心です。使う方の動きを具体的に想像しながら配置を考えることが大切です。

車椅子で生活するための間取りや設計のポイントを教えてください

車椅子で生活する場合は、通路やドアの幅を車椅子が通れる寸法で確保し、方向転換できるスペースを各所に設けることが基本です。

ドアは、開閉に力がいらず開口を広くとりやすい引き戸が適しています。床は段差をなくし、玄関などの高低差にはスロープを設けると、出入りがスムーズになります。スイッチやコンセント、洗面台、収納などは、座った状態でも手が届きやすい高さに配慮するとよいでしょう。また、キッチンや洗面台の下に足が入る空間があると、車椅子のまま作業しやすくなります。

福祉用具や介助のためのスペースも見込み、本人がどの範囲を自身で動けるかをふまえて計画することが大切です。

配信元: Medical DOC

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