『白内障』手術のタイミングをご存じですか? 見逃したくないサインを医師が解説

『白内障』手術のタイミングをご存じですか? 見逃したくないサインを医師が解説

白内障が進行すると、見えにくくなるだけでなく、転倒のリスクが高まり、車の運転や読書など日常生活にも影響が及びます。では、手術はどのタイミングで受けるのがよいのでしょうか? 今回は、白内障手術を検討するタイミングについて、術後に生活がどう変わるのかと併せて、新馬場眼科院長の芳賀先生に聞きました。

※2026年6月取材。

芳賀 剛

監修医師:
芳賀 剛(新馬場眼科)

山梨医科大学(現・山梨大学)医学部卒業。山梨医科大学医学部附属病院(現・山梨大学医学部附属病院)、加納岩総合病院(眼科医長)などに勤務した後、おおたけ眼科古淵医院院長を経て、2016年6月に新馬場眼科を開院。現在は院長を務める。

白内障の手術を検討するタイミングは?

白内障の手術を検討するタイミングは?

編集部

白内障の手術は、どのタイミングで検討すべきなのでしょうか?

芳賀先生

白内障手術は、「白内障があるからすぐ受ける」というものではありません。眼鏡を合わせても見えにくさが残り、そのために日常生活や仕事、趣味に支障が出てきたときが大きな目安になります。

編集部

見えにくさがあっても、まだ我慢できる場合は様子を見ても大丈夫でしょうか?

芳賀先生

はい。見えにくさが軽く、生活に大きな支障がなければ、手術を急ぐ必要はありません。実際、白内障はゆっくり進行することが多く、初期は照明を明るくしたり、眼鏡を調整したりすることで対応できることもあります。視力の数字だけでなく、「自分の生活で困っているかどうか」を基準に考えましょう。

編集部

具体的にどのような症状や困りごとが出てきたら、手術を意識したほうがよいのでしょうか?

芳賀先生

白内障では、かすみ目、まぶしさ、夜間の見えにくさ、光のにじみ、色がくすんで見えることなどの症状がよく見られます。特に、夜間運転がしにくい、階段や段差が見えにくい、読書で目が疲れるといった変化は、生活への影響が出始めているサインです。こうした症状が続く場合は、手術を含めた治療法を検討しましょう。

編集部

見えにくさや視力の低下以外に、手術を勧められるケースはありますか?

芳賀先生

あります。例えば、糖尿病網膜症などほかの眼底(目の奥)の病気を詳しく診たり治療したりするために、白内障手術が勧められることがあります。白内障が強いと眼底が見えづらくなり、ほかの病気を診断する際の妨げになることがあるからです。このように、見え方の問題だけでなく、ほかの病気の管理という意味でも手術が必要になる場合があります。

手術を受けると、生活はどう変わる?

手術を受けると、生活はどう変わる?

編集部

白内障手術を受けると、生活はどのように変わるのでしょうか?

芳賀先生

最も大きな変化は、見え方が明るくはっきりすることです。白内障で濁っていた水晶体(すいしょうたい/目の中でレンズの役割を担う部分)を取り除き、眼内レンズを入れることで、かすみやまぶしさが軽くなり、日常生活の見えにくさが改善しやすくなります。読書やテレビの視聴、買い物、家の中の移動など、これまで不便だった動作が楽になる人は少なくありません。

編集部

具体的には、どんな場面で楽になりやすいですか?

芳賀先生

変化を実感しやすいのは、新聞やスマートフォンの文字を見るとき、料理で細かい手元を見るとき、階段を使うとき、夜間に運転するときなどです。白内障になると光のにじみや夜間視力の低下が起こりやすいため、手術後に「夜が見やすくなった」「色が鮮やかに見えるようになった」と感じる人もいます。

編集部

手術後は、すぐに普段どおりの生活に戻れるのでしょうか?

芳賀先生

個人差はありますが、回復は比較的早く、数日~数週間で日常生活に戻る人がほとんどです。ただし、術後すぐは見え方が安定しないこともあり、点眼治療や通院が必要です。また、重いものを持つ、目を強くこするなどはしばらく控える必要があります。

編集部

手術を受ければ、眼鏡はまったく不要になりますか?

芳賀先生

必ずしもそうではありません。使用する眼内レンズの種類や、どの距離のものを優先して見たいかによって、術後に眼鏡が必要になるかどうか、どんな場面で使うのかは変わります。「遠くのものが見えるようになりたい」という希望で眼内レンズを選べば、近くを見るために眼鏡が必要になることがあります。一方、近くも遠くもある程度見やすくするレンズを選べば、眼鏡を使う場面が減ることもあります。手術前に、どんな生活をしたいのかを医師とよく相談することが大切です。

配信元: Medical DOC

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