アルコールは?
飲酒をすると、数分後から母乳に移行し、30~90分で母乳中のアルコールはピークに達します。
アルコールにより、胎児や乳児の学習能力への問題、記憶障害、低身長や低体重などの発育障害の可能性があると言われています。
3時間おきの授乳をしている間は、禁酒するのが望ましいところです。大量にママが飲酒した後の母乳で、乳児が急性アルコール中毒で死亡した例も海外ではあります。
どうしても少しだけ飲みたいという場合においては、できれば飲酒前に搾乳しておくのが望ましいです。
搾乳した母乳は冷蔵保存で3時間くらいを目安に、湯せんで人肌温度に戻すと良いかと思います。
喫煙は?
妊娠期に禁煙をしていた方も、授乳期に再開される方もいらっしゃるかもしれません。
喫煙し終わって30分後に母体内のニコチン濃度のピークとなり、3時間後にかなり低下します。
授乳中の喫煙は、母乳産生量を低下させると言われています。
また、母乳を介して赤ちゃんにもニコチン成分が移行しますので、一般的に言われているニコチンによる体への影響が考えられます。
アルコールもタバコも同様に、ママの母体内の代謝に比べ、乳幼児の代謝力はとても低いため、少量移行でも乳幼児の体へのインパクトは相当にあると思っていた方が良いかと思います。
タバコを吸ったママの母乳を飲んだ乳児は、吐きやすかったり、飲んでいる最中、のどがぜーぜー鳴っているという症状が出ることもある、と言われる方もいます。
手の届くところにタバコを置いておき、誤飲する可能性もあります。実際に、乳幼児の誤飲物の1位はタバコである、と調査結果では出ています。
乳幼児が誤飲した場合、タバコ1本分は致死量に相当します。そのまま飲み込んでしまって、胃の内容物に水やミルクが含まれている場合は、タバコの成分を吸収しやすくなります。
ママ自身の体のためにも、妊娠中、授乳中は禁煙が望ましいところです。