現代の子どもの深刻な足事情

現代の子どもの深刻な足事情

●まずはママが靴選びの大切さを知ろう!

子どもの足に異変が起こっている理由は、日本の靴文化の歴史や環境の変化にも原因があるという。

「靴文化の欧米と違い、日本人が靴を履きはじめてから100年ちょっとなので、まだ靴への正しい認識が浸透していないんですね。つまり、いまだに“靴に足を合わせている”人がほとんどなのです。合わない靴を履いていれば、足のほうが靴に合わせて形を変えてしまう可能性があります」

また、子どもたちの足の使い方も環境とともに変わってきているという。

「ゲームの普及や子どもを脅かす事件などが増えたことで、外で遊ばない子どもが増え、足を使わなくなっているんですね。唯一、子どもたちが足を動かす場となる幼稚園や学校では、足に合わない学校指定の靴を履かなければならないことも多く、足への問題はいろいろ起こっています」

靴のサイズひとつをとっても、ほとんどの人が間違ったサイズ認識で靴を選んでしまっているというのが現状だそう。

「大事なことは、お母さん方が“靴の大切さ”を知るとともに、“お子さんの正しい足サイズ”をきちんと知ったうえで合った靴選びをすること。そして、 それをお子さんにも教えていくことです」

ママの靴への認識不足が、お子さんの健康にまで影響するとは怖いですね。ぜひ、これを機にお子さんの足と靴をしっかりチェックして、お子さんの足に合った靴選びを心がけてください。
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

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佐々木克則先生

理学療法士 日本体育協会公認アスレティックトレーナー NPOオーソティックスソサイエティー理事

企業病院勤務、企業の強化スポーツ部チーフトレ ーナー、大学ラグビーのトレーナーを経て1990年 にNPOオーソティックスソサエティーの前身であるオ ーソティックス研究会を設立。以後、足と靴の専門 家として研究、講習会などの活動をしている。