•後悔しない、家事分担のすり合わせ
たくさんのママたちからの相談で、いちばん多く聞く不満は、家事分担のすり合わせ。職場復帰したとき、なんで、夫に“できない”と言えなかったのだろうということです。
「結婚した当初、妻が夫になんでもやってあげることがお互い嬉しい! という気分からスタートした夫婦は、子どもが生まれ、職場復帰する頃にきちんと仕切り直さないと、妻はできないと言うタイミングを失いがちです。家事を自分がやらなくては、妻失格、母親失格と思って一人でしょいこんでしまう。でもこれがワンオペ育児の始まり。最初頑張っていたママもとてもつらくなり、夫婦間もぎくしゃくしてきます。けれど、あとで振り返ってみたら、諦めず伝えればよかったなと思われる方が多いんですね。パパにちょっとずつ戦力になってもらうように関わればよかったと、みんなが口を揃えて話されます」(霜丘さん 以下同)
良いママ、いい妻でなきゃという自分縛りは捨てて、「できないからやって~」と言い、やってもらったら「わ~~嬉しい」と喜ぶ。そうやってパパや実家や、実家が遠い場合には思い切ってお姑さんに甘え、頼ろうと割り切るほうが、自分も家族も幸せです。

•“Iメッセージ”で傷つけないコミュニケーションを!
注意も必要です。たとえば、おばあちゃん問題として子どもに“いつもお菓子をあげすぎる”とか、“おもちゃを買おうとする”などは起こりがちです。はっきり「口出しするな」と言うと揉めてしまうこともあるので、基本的にはおばあちゃんの愛情だと理解しておきましょう。霜丘さんは「アサーションスキル」を紹介してくれました。
「これは我慢する奥ゆかしいママたちに一番教えてあげたいスキルです。お願い事や反対に断る場合、別の意見を言うときなど、相手も自分も傷つけずに爽やかに表現します。いろいろな方法がありますが、簡単で使いやすいものとしてはIメッセージがあります。“私はこれが大事だと思うの”“ママはこれが好きなの”と、自分を主語にして伝えます。“あなたは○○”と言ってしまうと、相手は評価されたように感じて空気が悪くなるところを、やわらかく伝える方法です」
対夫、対子ども、対おばあちゃん、その他いろいろな場面でのコミュニケーションに役立ちそうです。また、人にはいろんな気持ちがあり、好き嫌いもみんな違う、それらは尊重されるべきである。つまり、"多様性の基本"を子どもに教えるのにも一役買うことでしょう。
