●猫背は夏にひどくなる
「今小中学生でも猫背は非常に多いですね。携帯電話やスマートフォンなどを使うと、うつむいて液晶画面をのぞき込む姿勢になりますよね。このまま“スマホ首”で使う時間が長くなればなるほど、顔が前に出た猫背になります。こんな姿勢を治したいと思っていても、親自身も猫背をどうやって治すかを分からないので、“姿勢をよくしなさい!”と注意して一旦まっすぐにするだけ。悪い姿勢に慣れてしまった子どもにとって、猫背でいる方が楽なので、すぐに元に戻ってしまいます」(小林氏 以下同)
しかし、いくら猫背が楽だと言っても「猫背が身体に負担をかけない」という意味ではないという。子どもの猫背は、どんなリスクがあるのか?
「うちの治療院にも猫背の子どもがよく来るんですが、腰痛や肩こり、目の疲れさまざまな症状が出ています。中学生1年生の男子が野球練習中にぎっくり腰で来たこともあります。本人は気付いていないケースが多いのですが、すべて猫背の影響で起きていました。猫背というと冬のイメージかもしれませんが、夏は筋肉が疲労しやすいのです。筋肉が疲労すると身体を支える力がなくなり、ぐったりと前屈みになるので、ますますひどくなる傾向があります」

●猫背のせいで身長が伸びない?
猫背が原因で「あまり食べられない」ということもあると小林先生は言う。
「姿勢が悪いために、胃を圧迫されて“食べ過ぎると気持ち悪い”となってしまう子もいます。その影響で内臓も押し下げられ、圧迫を受けます。みぞおち付近の胃が圧迫され、胃痛や胃もたれ、むかつきといった症状を引き起こします。子どもの身長も伸びるところが丸まって固いと、伸びるものも伸びません。こうなると成長にも関わってきてしまいます。また首の筋肉が強く緊張して疲労物質が筋肉に溜まり神経を刺激することによって、頭痛も起こります。頭の血流が悪くなり、自律神経が乱れキレやすい、ボ〜ッとして勉強に集中できない、など悪影響が出てくることも考えられます」