大切なのは、自然体。3歳までの脳に重要なこと

大切なのは、自然体。3歳までの脳に重要なこと

●赤ちゃんは泣かせてあげるのがいい?

男女とも脳科学の観点からいくと、泣いたらすぐ抱いてあやしすぎるのも注意が必要だという。オムツも濡れてない、暑くも寒くもない、お腹も空いていないはずなのに、なぜか泣き止まない。これはどういうことなんだろう?

「泣くという行為は、脳にとってはなんとも気持ちよいストレス解消の行為です。涙を流すと、ストレスによって生じる神経反応を緩和する脳内モルヒネの一種も含まれていて、泣くと満たされた気持ちになります。泣きたくて泣いている赤ちゃんを、大げさにあやすのは、大きなお世話でしかありません。もし妻であるあなたが韓流ドラマに思いっきり浸って涙をこぼしている時に、夫が心配して話しかけて慰めてくれたら、イライラするのと一緒です(苦笑)」

泣いている赤ちゃんを抱き上げることは大事だが、ちょっと声をかけて、それでもまだ泣くようだったら優しく抱いたまま、思いっきり泣かせてあげていいそうだ。泣きたいときは、泣いていい。それは、赤ちゃんに“自然体で生きればいいよ”を知らせることになる。泣かれると焦ってしまうママやパパだが、夜泣きは脳の機能の一部だそうだ。どうぞおおらかに。
(取材・文/谷亜ヒロコ)

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黒川伊保子

脳科学コメンテイター

㈱感性リサーチ代表取締役、人工知能研究者/脳科学コメンテイター。奈良女子大学理学部物理学科卒。人工知能エンジニアを経て、感性の研究者に。テレビや雑誌にもたびたび登場。著書に「恋愛脳」「夫婦脳」(新潮文庫)、「日本語はなぜ美しいのか」(集英社新書)、「英雄の書」「女は覚悟を決めなさい」(ポプラ社)など。