子にスマホやタブレットを渡す年齢、ボーダーラインは○歳!

子にスマホやタブレットを渡す年齢、ボーダーラインは○歳!

今まさに乳児や幼児を育てているママたちは、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることをご存じだろうか。小学生の子どもたちがスマホやタブレットを使って勉強する時代が、もうすぐそこまで来ているのだ。

だがその一方で、「スマホに子守りをさせるな」という否定的な意見を耳にしたこともあるはず。では、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスに触れるのは何歳以降、どれくらいの時間、どんな形がベストなのだろう? 

『AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55』を上梓した明治大学専任講師の工学博士であり、2男1女の母親でもある五十嵐悠紀氏に、望ましいデジタル教育の形について詳しく聞いた。

●スマホが幼少期の発育に与える影響は?

「幼少期のデジタル教育がどんな影響を与えるのか、ということを皆さん非常に気にされますが、結論から言うと、まだデータがそろっていないんですね。幼少期にプログラミング教育を受けた子が20歳になってどんな大人に育つか、まだ誰にもわかっていない段階なんです」(五十嵐氏 以下同)

確かに、言われてみればその通りだろう。初代iPhoneが誕生したのは2007年。その後、スマートフォンが老若男女に普及し始めたのは、2010年前後だといわれている。つまり幼少期にスマホに触れて育ったとされる子どもは、いまだ全員が未成年なのだ。

タブレットをみる女の子

●ボーダ―ラインは2歳以降、ただし条件あり

「ただし、デジタルデバイスと接する適齢については、各国で共通の見解は出てきています。アメリカ小児科学会をはじめ、海外の事例やいろんな研究者の意見をまとめると、ボーダーラインは2歳。2歳まではバーチャルな体験ではなく、実体験を充実させることが大事だといわれています」

0~2歳まではデジタル機器を通してバーチャルな世界に触れるよりも、自分の体を使ってモノや他者と触れ合うほうが幼児の心の発達のためにはずっと大切なのだそう。

「2歳ころまでは普段の生活のなかから学べることがすごく多いんです。人として生きていく上で基本的な感情が獲得される時期でもあるし、成長ホルモンを分泌するためにはお昼寝や夜の睡眠時間をしっかりとることも大切。単純に、デジタル遊びが入り込む隙間がないんですね」

お話をお聞きした人

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五十嵐悠紀

1982年生まれ。明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科専任講師。専門はコンピュータグラフィックスおよびユーザインタフェース。