インバウンドビジネスの初心者講座。意外な副業チャンスも!?

インバウンドビジネスの初心者講座。意外な副業チャンスも!?

どこよりも分かり易く「インバウンド」業界を解説。インバウンドビジネスの第一線で活躍する人々へのヒアリングにより、そのトレンドや実態を説明。意外に知られていない「副業チャンス」も。あなたもインバウンドの波に乗って稼げるかも?

社会やビジネストレンドもキャッチしたいママに送るこのシリーズ。第一弾は「インバウンド」。インバウンドビジネスの最前線でサービスの運営に関わっている人々へのヒアリングを基に、どこよりもわかりやすく解説します。

ニュースで聞かない日のない「インバウンド」ってそもそも何なの?それが日本や、私たちの生活にどの様な影響を与えているの?といった基本的な疑問への答えはもちろんのこと、インバウンドによって生まれている「私たちにもできるかもしれない副業チャンス」まで、幅広く紹介していきます。

これを読めば、インバウンドの話に付いていけること間違いなしです。

よく聞く「インバウンド」の意味とは?

ワイドショーや情報バラエティでも良く聞く「インバウンド」。盛り上がっていることはわかるのですが、いったい「インバウンド」って何なのでしょうか?まずは基本中の基本、「インバウンド」の意味を理解しましょう。

インバウンドとは

インバウンドとは、インバウンドビジネスの略です。ではインバウンドビジネスとは何かというと、「外国から日本に来る人を対象としたビジネス」ということです。
もっと噛み砕くと、「日本に来る外国人旅行者にお金を使ってもらう」ビジネス全般を指します。

インバウンドという言葉は、インとバウンドの2つの言葉から成り立っています。インは「in」、つまり「中に」という意味の言葉です。そしてバウンドは「Bound」、「方向」を意味します。つまりインバウンドという言葉は、「中の方に向かう」という意味の言葉で、日本人にとっては「外国から日本=中に向かう人々や動き」を指すのです。
これはあくまで日本から見た話だということに注意しましょう。アメリカに行って「インバウンド」と言っても、「日本に来る外国人旅行者を対象としたビジネス」という意味にはならないということです。

「アウトバウンド」もある?

では、インが「in」なら、対義語である「out」を付けて「アウトバウンド」という言葉もあるのでしょうか。実は、実際にその言葉も存在します。日本でいう「アウトバウンド」とは、インバウンドの反対で、「日本人が外国に行く」ことを指します。
例えば大手旅行代理店が販売している格安海外旅行パッケージ商品などは、「アウトバウンドビジネス」に該当するのです。
ただ、我々からすると特別なビジネスではないので、あえてアウトバウンドなどとは言う言葉は使いません。よってあまり聞かない言葉ではあります。

インバウンドで儲かる業種は旅行だけ?

ということは、インバウンドビジネスとは、旅行ビジネスのことなのか!とお考えになる方もいるかもしれません。飛行機やホテルが儲かっているのかな、と考えるのは自然です。
そして確かに航空会社やホテル業界は、インバウンドで最も重要な役割を果たすビジネスです。これらの業界は、インバウンドの成長の影響を最も強く受けています。

しかし、他にも様々なビジネスが、インバウンド市場の成長の恩恵を受けています。

例えばショッピングセンターやデパート、そしてドラッグストアなどの小売り店です。「爆買い」という言葉が一時期流行りましたが、やはり旅行中は財布の紐はゆるむもの。特に中国人観光客を中心とした、観光客による大量買い、あるいは高級なものを買い漁る行動によって、モノを売っているお店は大変潤いました。

そしてもう一つ例を出すならば、レストラン、飲食産業です。皆さんも「こんなレストランに、こんな居酒屋に外国人がいるなんて」と思った経験はあると思います。海外から来る旅行者は日本の食事に興味津々なので、レストラン業界はインバウンド活性化によって潤っています。

日本のインバウンドの市場は急成長

ではそのインバウンドの市場、どのくらい成長しているのでしょうか。実際の数字を見ながら説明していきます。

統計では外国人旅行客は年間3000万人超

特に都市部に住んでいる方は実感があると思うのですが、インバウンドの盛り上がりの基礎となる外国人旅行者の数は、2014年から2018年の5年間で、なんと2.3倍になっています。2018年度ではその数3120万人。日本の人口の4分の1の数の人々が、日本に来ているのです。

2020年に4000万人、2030年に6000万人目標

日本の将来は観光にある!と旗を振って外国人旅行客の増加を推進したのは政府です。そして、その目標は、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人の旅行者が来るというものになっています。

6,000万人と言えば、日本の人口の実に半分!そんなことが可能なのか?と思うかもしれませんが、実は当初政府が立てていた計画は2020年に2,000万人の外国人旅行者が来るというものでした。それが2015年には約2,000万人が来てしまったのです。

計画を大きく上回って成長している外国人旅行者の数。その勢いを見ると、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人という目標の達成も夢ではないかもしれません。特に2020年にはオリンピックが控えているため、4,000万人という目標の達成は現実的なものとなっています。

外国人の訪日目的は「日本ブーム」だから?

昨今テレビでも「日本が海外でブームになっている」という趣旨の内容を放映することが多くなっています。ということは、現在の訪日外国人の数の急増は、日本ブームに乗ったものなのでしょうか。

実際に、インターネットの発達によって日本のカルチャーが世界に発信され、日本に親しみを持っている人が明らかに増えているのは、実際にビジネスをしている人々も感じているようです。

しかし、個人的には今の盛り上がりは決して「日本ブーム」ではないという意見もあります。
例えば同じアジアでは、タイは長年、そして今でも日本よりも多くの外国人観光客が訪れる地です。そして中国には、タイよりも更に多くの旅行客が訪れています。

つまり決して日本はアジアの中でも、トップレベルの観光地ではありませんでした。
残念ながら、日本はこれまで海外の人から見た時に旅行先として過小評価されてきた国だったのです。
それが日本の魅力の発信の強化によって少しずつ正当に評価されつつある、というのが正しい理解なのではないかという意見は多く聞かれます。
今が日本ブームなのではなく、これまでがあまりにもアピール不足だった、ということです。

さらにもう一つ見逃せないのは、アジアの国々の人々の所得の上昇です。アジアと言っても広いですが、中国や日本のある東アジアからタイ・インドネシアのある東南アジアまで、ここ10年で大きな経済成長を遂げた国が非常に多い地域です。
その経済成長によって、新たに海外旅行を楽しめる中間層以上の人々が各国でたくさん産まれ、海外旅行を始めたことが日本にとって大きな追い風となっていると感じます。何せ、彼らの国から日本は距離的に近いわけですから、旅行先として日本が選ばれやすいわけです。

特に大きいのが中国で、10年前である2008年には日本への観光客は年間で100万人しかいませんでしたが、2018年二は850万人に届きそうな規模となっています。8~9倍の人々が日本に来るようになったわけです。
他にも大きな成長を遂げているタイからの旅行客も、2008年には僅か20万人しかいなかったのが、2018年には100万人を超える規模へと、5倍以上に増えています。