子どもがなかなか寝つかない理由

子どもの寝顔は天使のようにかわいいですが、寝かしつけに悪戦苦闘するママは少なくありません。子どもがなかなか寝つかないのは、日中の過ごし方と関係しています。
体力があり余っている
日中の活動量が多い子どもは、夜になると適度な疲労感を覚えスムーズに眠ります。一方、日中に体をあまり動かせなかった子どもは、なかなか眠りにつけない傾向があります。
日が高いうちに子どもを外で思いっきり遊ばせるのが理想ですが、天候が悪かったり、親が忙しかったりして、家のなかで過ごさざるを得ないケースもあるでしょう。
外に出られず、家のなかでお昼寝ばかりしていた子どもは、睡眠習慣の乱れから夜になると目が冴えてしまうようになります。
乳幼児の睡眠と発達 5.乳幼児の睡眠問題の背景と臨床的側面|岡田(有竹) 清夏東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター
お昼寝が長い、または遅すぎる
乳幼児がお昼寝をするのはごく自然なことですが、体が大きくなると、お昼寝をする時間が極端に長い、または遅い場合は夜の睡眠時間に影響をおよぼします。
例えば、生後9カ月~1歳ごろの赤ちゃんは1日に1.5~3時間のお昼寝をするのが一般的です。なかなか起きないからといって、4時間、5時間と寝かせたままにしておくと夜が大変になるでしょう。
お昼寝の時間は「毎日同じ時間」になるように心がけ、遅い時間は避けましょう。日によってお昼寝の時間が変わると、夜の睡眠のリズムまでもが乱れてしまいます。
寝る前に興奮することがあった
子どもが寝る時間にパパが帰宅し、そのまま一緒に遊ぶという流れはどの家庭にもよくあることです。
しかし、寝る前に精神が高ぶると子どもはなかなか寝つけなくなってしまいます。子どもが一旦ベッドに入ったら、できるだけ静かな環境をつくるように努めましょう。
また、TVやスマホから発せられる大きな音や光にも注意が必要です。子どもが横になっているそばでママがスマホをいじったり、TVを見ていたりすると、子どもはなかなか寝つけません。
寝る時間の光や音などの刺激には、寝つけなくなる要素があることを忘れないようにしましょう。
子どもが寝つきやすい環境をつくろう

なかなか寝つかない子どもにイライラするのは禁物です。小さな子どもは自分で睡眠環境をコントロールすることができません。ママが安心して眠れる環境をつくってあげる必要があります。
朝は7時までに起床する
新生児は1日の大半を寝て過ごしますが、月齢が上がってくるにつれ、朝が来れば目覚め、夜になれば眠くなるという「体内時計」のリズムが整います。
早く就寝させるには「早く起床すること」が重要です。夜の19時半が就寝時間だとすれば、朝の7時までには起床させましょう。
週末だからといって、子どもをゆっくり寝かせておくのはやめましょう。睡眠のリズムが乱れる上に日中の活動量が減少し、体力の余剰をまねきます。
子どもが夜更かししてしまった日も、できるだけいつも通りに起床をさせるようにしましょう。
寝る前は部屋を暗くする
子どもの睡眠を妨げる要因のひとつが「光」です。就寝時は電気やTVを消し、暗くて静かな環境をつくってあげましょう。
こうすることによって、昼と夜のメリハリがつき「子どもは暗い=眠る時間」と認識するようになります。お昼寝のときも、夜寝と同じように暗い環境をつくりましょう。
遮光カーテンを取り付ける場合は、必ず朝の規則正しい時間にカーテンを開けてあげましょう。体内時計がリセットされ、生活リズムが整います。
就寝1時間前からTV・スマホは見せない
子どもの年齢が上がってくると、TVやスマホにも興味を示すようになります。動画を見ているときは子どもが静かにしてくれるため、ついスマホを渡してしまうママもいるでしょう。
TVやスマホ・PCからは「ブルーライト」という強い光が出ています。就寝前に光を浴びると、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌が阻害され、睡眠サイクルが乱れます。
TVやスマホは、就寝1時間前になったらスイッチを切りましょう。就寝までは、明かりを抑えた静かな部屋でリラックスして過ごすのが理想です。