レジ袋有料化のメリット・デメリット

レジ袋を有料にすると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。日本政府のねらいや、一般人に関係するデメリットなどを解説します。
環境に対する意識が上がる
「袋を付けてもらうのが当たり前」という認識になってしまうとプラスチック削減ができません。無料の場合は、深く考えず「とりあえずもらっておく」人も多いでしょう。
レジ袋を有料にすることで、購入者側は「今本当に袋が必要なのか」を考える機会をつくれます。多くのレジ袋が1円単位の負担とはいえ「なんとなく」レジ袋をもらう人は少なくなるはずです。
レジ袋有料化につながるプラスチックの削減を通して、一人ひとりの意識を変えるきっかけとなるのはメリットといえるでしょう。
手軽に使えるごみ袋がなくなる
今までもらったレジ袋を取っておき、ごみ袋として活用していた場合は別途袋を購入する必要があります。
環境問題の視点では、このようなケースはレジ袋をもらわなくなってもごみ袋を有料で購入することになり、プラスチックごみの削減にはつながりにくいです。
有料化により、気にせず使えるごみ袋がなくなってしまうのはデメリットといえるでしょう。
子どもの未来にも関わる?海外のエコ事情

海外では、日本に先駆けてレジ袋有料化や使用禁止の政策が行われています。
それぞれ政策の内容は異なりますが、世界的に脱プラスチックの流れは加速しているのです。主な国々の政策や状況を紹介しましょう。
以下に挙げる国以外に、韓国やベトナムなどのアジア諸国でもレジ袋有料化や課税は開始されています。
早くから実施されている中国
中国では、2008年6月よりレジ袋の有料化政策が行われています。
日本とは異なり、厚みが25マイクロメートル以下の袋は製造や使用は禁止です。厚手の袋に限り、有料で販売されています。
人口が多い中国では、早くからごみ問題がクローズアップされてきました。毎日30億枚ものプラスチック製袋が消費されるともいわれています。
レジ袋の有料化により削減に成功した中国ですが、問題もあるようです。
政策が開始された当初は多くの店舗で有料化が行われていましたが、小売店など一部の店舗では無料で袋を配布するなど有料化が徹底されていないケースも見られます。
州ごとに定められているアメリカ
アメリカでは、国全体でレジ袋有料化や禁止に関する政策は行われていません。しかし、州ごとに独自の条例が定められています。
例えば、サンフランシスコでは2007年から薄手のプラスチック製レジ袋の使用が禁止されています。再生紙を含む紙袋または、再利用が可能な厚手のプラスチック製袋のみ配布が可能です。
2015年にはハワイのオアフ島でレジ袋が禁止となりました。原則、紙袋や再利用が可能な布製袋などが使われています。
2020年10月には、ニューヨーク州でもレジ袋禁止条例が開始されています。州により内容は変わりますが、違反回数ごとに罰金を課す方式を採用しています。
削減方法がさまざまなヨーロッパ
ヨーロッパでは2015年にEUでの取り決めにより、レジ袋削減に向けての目標が通達されています。
定められた期間までに「1人当たりのレジ袋使用数を削減する」目標と、「すべてのレジ袋を有料化する」目標の2種類です。
なお、フランスは2017年、イギリスは2015年にレジ袋有料化や禁止の政策が行われています。
フランスでは、薄手のレジ袋が全面的に使用禁止です。原料や用途により一部認められていますが、違反した場合は罰金が科されます。
店舗によってはレジ袋の配布を取りやめ、再利用可能な袋のみを取り扱っている場所も出てきています。
