育児ノイローゼになる原因

育児ノイローゼを改善するには、その原因を取り除くことから取りかかる必要があります。「育児ノイローゼになっているかもしれない…」と思ったら、下記の4点に心当たりはないか考えてみましょう。
寝不足やホルモンバランスの乱れ
「寝不足」は、様々な体調不良を引き起こします。寝不足によって十分な休息が取れていないと、たっぷり睡眠が取れているときに比べて育児ノイローゼの状態にも陥りやすくなるでしょう。
また「ホルモンバランスの乱れ」も原因のひとつです。妊娠・出産・授乳と、体とともにホルモンバランスも急激に変化します。数時間おきの授乳や夜泣き、育児と仕事の両立など、乳幼児を育てている間はどうしても寝不足になりがちです。
「生理前にイライラする」とよくいわれるように、ホルモンバランスの変化は精神面に影響を与えると考えられています。こうした身体的な不調や変化が、育児ノイローゼのきっかけとなっているのかもしれません。
夫や家族の協力が得られない
近年、ワンオペ育児の問題がたびたび取り上げられています。ワンオペとは「ワン・オペレーション」の略で、「1人だけで子どもを育てている状態」のことです。
夫の仕事が忙しい・実家が遠い・ひとり親であるなど、家庭により理由は様々でしょう。しかし、ワンオペ育児は、周囲のサポートがある家庭と比べると「育児ノイローゼになりやすい環境である」といわざるを得ません。
赤ちゃんは、ほぼ何もできない無力な状態で生まれてきます。ある程度成長すれば、今度は危険のないよう目を光らせる必要があります。
乳幼児を育てている間は、いわば年中無休の24時間勤務をしているようなものです。ワンオペ育児で心が疲れてしまったとしても、無理はありません。
すべて完璧にこなそうとする
「完璧主義」「几帳面」「真面目」こうした一般的に美徳とされる性格が、育児においては裏目に出てしまうことがあります。もともときちんとした性格の人は、「何事も完璧にこなして当たり前」といった価値観を持っていることが珍しくありません。
こうした価値観の人は、計画どおりできなかったことに対して落ち込みやすい傾向があります。がっかりすることが多いほど精神的に追い込まれ、育児ノイローゼになってしまうでしょう。
他人から「しっかりしているね」とほめられることがあるとしたら、自分ではそれほど完璧主義ではないと思っていても、真面目な部類に入るのかもしれません。
いつも子どもと2人で過ごしている
「ワンオペ育児ではないが、日中はいつも子どもと2人きり」という状態も、育児ノイローゼの原因となりがちです。子どものタイプによっては、日中だけでもかなりハードな日々となるでしょう。
不機嫌の理由もわからず、ギャン泣きを続ける子もいます。声が大きすぎるために放置もできず、かといって抱いても収まらず「ご近所に迷惑をかけているのでは」と気が休まりません。
ひとり遊びができないタイプの子だと、意思の疎通ができるようになっても四六時中ママにぴったりくっついています。朝しっかりメイクをすることも、落ち着いてトイレに入ることもできないでしょう。
「自分のことが何もできないのは今だけ」と自分を犠牲にした生活を続けていると、気づかないうちにストレスが積み重なってしまうのです。
育児ノイローゼの対処法

育児ノイローゼは、心や体の負担を減らしてあげることが何よりの対処法となります。ここで紹介するリラックス方法を参考に、自分を楽にする方法を探してみましょう。
1人の時間をつくる
「子どもがわずかに身じろぎをしただけで目が覚める」「泣き声の幻聴が聞こえる」といった経験はないでしょうか?乳幼児がいると、常に気が張った状態になりやすいものです。
こうした緊張状態から解き放たれるために、1人だけの時間をつくりましょう。「土曜の午後は子どもを預けて出かける」など、何もしなくてよい休日を決めるのです。
週に1回が難しければ、月に1回でもかまいません。「美容院で髪のカットやケアをする」だけでも、気持ちが晴れやかになり前向きな気持ちになれます。
いつ終わるともしれない育児を続けているのと決まった休みがあるのとでは、心にかかる負担がまったく違うものです。「子どもには自分がついていなければ」というプレッシャーを、ほんの少しだけ信頼できる誰かに背負ってもらいましょう。
たまには手抜きをする
子育て中は、「いつもよりも心の余裕を多めに空けておく」のがポイントです。家事に育児に頑張りすぎている人は、手抜きする方法を考えてみましょう。
肩の力を抜いてみると、家事にも育児にも手を抜けるところが見えてきます。たとえば、子どもに3食ごはんを与えるのは必要ですが、そのすべてを手作りする必要はありません。
子どもに外遊びをさせてのびのび育てることは大切ですが、子ども番組やアニメから学べることもたくさんあります。
「やらなくてもいいんだ」と思うと、驚くほど気が楽になるかもしれません。よい意味での適当な家事・育児を、1日の計画に取り入れてみましょう。
夫にも家事や育児を手伝ってもらう
家事や育児の手を抜くと「やることがたまって後から大変になる…」と心配する人もいるでしょう。そういった場合は、必要最低限の部分だけでもパパにお願いしましょう。
「家事や育児はママの仕事」と決まっているわけではありません。特に子どもが小さいうちは、ママの背負う荷物だけが極端に重くなっているケースもあります。
「平日の帰宅後30分だけ」「休日の数時間だけ」ではなく、ヘルプが必要なときに必要なだけのサポートを求めてよいのです。
不安を吐き出せる相手をつくる
もともと1人で過ごすのが好きな人や、家にいる方が落ち着くという人もいるでしょう。しかし、育児中に限っていえば、「言いたいことが言える相手」を見つけることをおすすめします。
相手はパパでも友だちでも実家の親でもかまいません。「子育てに関する不安や不満をいつでも吐き出せる相手がいる」ということが重要です。
同じ年代の子どもを育てるママ友であれば、互いに共感できる部分も多いでしょう。「つらいのは自分だけではない」と思えることも、ストレスの緩和につながります。
夫に直接話すと感情的になってしまうことも、ママ友に話してみると「それはこうするといいよ」と、経験者ならではのアドバイスをもらえて気持ちが落ち着くこともあるはずです。
