放置子って?

元々「放置子」という言葉は、インターネットのみで使われていたネットスラングです。具体的にどのような子どもを指すのか見ていきましょう。
親にほっとかれている子ども
放置子とは、文字通り「放置されている子ども」のことをいいます。放置されている理由は家庭によって様々ですが、普段の様子から背後に親や大人の姿が見えにくいのが特徴です。
その子どもを見ていると「食事はどうしているのかな」「親はあまり家にいないのかな」などと感じることがあるでしょう。放置子とよばれる子どもは、基本的にいつも1人または兄弟姉妹のみで過ごしています。
優しくしてくれる大人が大好きで、友だちの親でも自分の親であるかのように甘えたり、早朝深夜問わず家に来たりするのが特徴です。放置子が家に来るたびに、「正直戸惑ってしまう」と感じる家庭は少なくありません。
放置子が生まれてしまう要因

子どもが放置されてしまう理由は、様々あります。「親が忙しいのかな?」と単純に考えがちですが、それだけが理由ではないケースもあるようです。
必ずしもすべての子どもに当てはまるわけではありませんが、放置子が生まれやすい理由や背景について考えてみましょう。
家庭や周囲の環境
近年は「共働き家庭」が増え、帰宅しても誰もいないことは珍しくありません。親の仕事によっては深夜まであるいは早朝から家を空ける場合もあり、子どもに十分目を掛けてあげられないのが現状です。
「1人親世帯」や「ワンオペ育児」の家庭も多く、必然的に子どもは親なしで過ごす時間が多くなります。また、「社会の人間関係の希薄化」も放置子の増加に影響していると考えられるでしょう。
数十年前には当たり前のように見られた密接な近所付き合いは、現在減少傾向にあります。コミュニティ全体で子どもを育てるという意識がなくなり、「自分の子どもは自分の家庭で見るべき」という意識が強くなりました。
子どもが1人でいても声を掛ける人はなく、子どもは行き場を見つけられない状態です。
子どもに関心のない親もいる
「子どもが放置されるのは親が忙しいため」というケースが多いものの、放置子は共働き家庭に限定されるわけではありません。親が家にいる場合でも、「親の無関心」から子どもが放置されてしまうことはあります。
例えば、放置子の親のなかには子どもが家にいるのを好まなかったり、「ほかの家で遊びなさい」などと言っていたりする人もいるそうです。親の側に子どもを育てる上での覚悟や意識がなければ、親がいても子どもは放置されてしまうでしょう。
また、放課後や休日の過ごし方は、家庭によるところが大きくなっています。子どもに無関心な親の家庭は、学童に行かせたり習い事をさせたりすることがありません。遊ぶ相手も行く場所もなく、放置子は取り残されてしまいがちです。