元夫が再婚したら養育費はどうなる?減額を希望された際の対処法も

元夫が再婚したら養育費はどうなる?減額を希望された際の対処法も

養育費の減額を希望された際の流れ

前の夫から「再婚したから、養育費を減らしてほしい」と言われたときには、どのように対応すればよいのでしょうか?話し合いから調停までの流れはもちろん、調停委員からの印象を悪くしないための注意点も解説します。

まずは2人で話し合う

納得ができない理由で養育費の減額を希望されると、感情的になってしまうのも無理はありません。2人で話をしても解決しない場合には、養育費の減額調停に進み、調停委員が間に入った話し合いが必要です。

その場合、調停委員は元夫・あなたの双方から話を聞くため、元夫から「感情的に怒鳴られて、うまく話せなかった」と言われる恐れがあります。

調停委員からの印象をよくするためにも、2人で話し合うときからできるだけ冷静に対応することをおすすめします。

元夫の言い分に納得できない場合には、相手の話を最後まで聞いた上で自分の要望・意見を伝えるとよいでしょう。また、公正証書を作り直すことも踏まえ、話し合いで決めた内容を記載しておくのが大切です。

養育費の減額調停から審判へ

2人で話し合っても解決しない場合には、減額を希望する元夫から「養育費減額請求調停」を申し立てるのが一般的です。

養育費減額請求調停が成立すると、調停調書が作成されます。それぞれが家庭裁判所に出向いて調停委員と話をするため、基本的には相手と顔を合わせずに済みます。

ただ、話し合いに時間がかかるのが難点で、最初の調停終了後、次の調停が行われるまでに約1カ月かかるのが基本です。双方が納得するか、調停委員が「合意にいたらない」と判断するまで、話し合いが続きます。

養育費減額請求調停でも解決しない場合には、「養育費減額審判」に移行して裁判官が審判を下す流れです。

裁判官の審判によって決められた養育費の額に不服がある場合は、その旨を申し立てましょう。申し立てを行わない、もしくは裁判所にそれを退けられた場合は、決められた額を守る必要があります。

参考:養育費に関する手続 | 裁判所

養育費の未払いはどうすればいい?

元夫からの養育費がいきなり支払われなくなった場合には、どのように対応すればよいのでしょうか?養育費の未払いへの対処法を、調停調書の有無を踏まえて解説します。

調停調書などがあるなら強制執行の手続き

調停調書・和解調書などの「債務名義」がある場合は、すぐに強制執行の手続きができます。

債務名義とは「合意して決めた約束を守らないときには、強制執行を申し立てていい」と許可した文書のことです。家庭裁判所で作成される調停調書・和解調書は、すべて債務名義の書類に該当します。

公正証書は債務名義ではないものの、「強制執行認諾文言」の記載がある場合は例外です。公正証書内に「強制執行認諾文言」と書かれていると債務名義と見なされ、強制執行が認められます。

債務名義をもとに裁判所に強制執行の申し立てをすると、元夫の給与・預貯金などの資産を差し押さえて養育費を回収できます。

参考:相手が約束を守らなかったときは|法務省

書面・口約束の場合は養育費請求調停を検討

個人的に作成した書面や口約束などで養育費の条件を決めた場合は、元夫が養育費を支払わなかったとしても強制執行はできません。まずはメールから電話、書面と、段階を踏んで養育費の支払を催促するのがポイントです。

また、家庭裁判所での調停や審判を通して取り決められた養育費が支払われないときは、家庭裁判所から履行勧告・履行命令をしてもらうことも視野に入れましょう。

履行勧告では、裁判所から元夫に養育費を支払うように催促してもらえます。履行命令の場合には従わないと「過料」と呼ばれる罰金が発生します。

ただ、催促をするのには手間がかかるため、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てた方がスムーズに進むでしょう。養育費請求調停が成立して金額が決定してもなお未払いが続く場合、強制執行ができる可能性も高まります。

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