1~2歳向けのベストセラー絵本

1~2歳は心も体も大きく成長する時期です。日に日に理解できることが増えていくので、発達に合った絵本を選んであげましょう。
エリック・カール『はらぺこあおむし』
エリック・カールによる世界的ベストセラーです。おもちゃやギフトのモチーフにも使用されることが多く、絵本を読んだことはなくても、キャラクターは知っているという人もいるでしょう。
はらぺこのあおむしは、1週間をかけて様々な食べ物に穴を開けていきます。絵本にも実際に穴が開いていて、子どもは引き寄せられるようにこの穴に指を突っ込むでしょう。
食べすぎたあおむしがおなかを壊して泣くシーンでは、1歳の子どもでも眉をへの字にさせるかもしれません。かわいらしい子どもの様子に、何度も読んであげたくなってしまう作品です。
・書籍名:エリック・カール『はらぺこあおむし』
せな けいこ『ねないこだれだ』
おばけといえば子どもが怖がるキャラクターのひとつですが、『ねないこだれだ』に出てくるおばけは、なぜか子どもを魅了してやみません。
「こんな じかんに おきてるのは だれだ?」と、冒頭から不穏さが漂います。寝ない子はおばけになって連れていかれてしまうという、子どもにとってはかなり刺激的な内容です。
黄色い目玉に赤く裂けた口と怖い様子ながらどこか親しみのわくおばけは、大人でも不思議とくせになります。寝かしつけにも役立ちそうですが、怖がらせすぎないよう注意しましょう。
・書籍名:せな けいこ『ねないこだれだ』
A.トルストイ『おおきなかぶ』
おじいさん・おばあさん・孫…とどんどん人手が増えていき、非力なねずみまで加わって巨大なかぶを抜くお話です。小学校1年生の教科書にも載っています。
ただ、2歳となると「どんなに小さな力でも、みんなと協力すれば役に立つ」といった教訓を考える時期ではないかもしれません。おすすめのポイントは「うんとこしょ どっこいしょ」のかけ声です。
何度も繰り返し出てくるセリフなので、子どもと一緒に叫んでみましょう。かけ声のかわいらしさと、かぶが抜けたときの達成感がたまりません。
・書籍名:A.トルストイ『おおきなかぶ』
3歳向けのベストセラー絵本

3歳になると、簡単なストーリーを楽しめるようになるでしょう。日常ではなかなか経験できない、想像力を広げる力を持った絵本を紹介します。
なかがわ りえこ『ぐりとぐら』
有名な『ぐりとぐら』シリーズの第1作です。ねずみのぐりとぐらが卵を見つけ、「このよで いちばん すきなのは おりょうりすること たべること」と歌いながら特大カステラを作ります。
においにつられて森中の動物たちが集まるところで、子どもは大喜びです。シカやクマなど森の動物はもちろん、ライオンやワニまでやってきて、みんなで仲よく分け合います。
言葉のチョイスが秀逸で、簡単な文章なのにその情景が鮮やかに浮かび上がるようです。読み終わったころには、カステラが食べたくなっていることでしょう。
・書籍名:なかがわ りえこ『ぐりとぐら』
ノルウェーの昔話『三びきのやぎのがらがらどん』
登場する3匹のヤギは、みんな同じ「がらがらどん」という名前です。おいしい草がたっぷり生えている丘へ行くには、吊り橋を渡らなければいけません。
しかし吊り橋の下には、恐ろしいトロルが獲物を待ち構えています。はたして3匹のヤギたちは無事に橋を渡れるのでしょうか。スリルいっぱいの物語に子どもは釘付けです。
少し荒々しい絵柄がストーリーを引き立てます。トロルと戦うシーンはなかなかの迫力なので、怖がらせないように読み方を工夫してみるとよいかもしれません。
・書籍名:ノルウェーの昔話『三びきのやぎのがらがらどん』
アレックス・ラティマー『まいごのたまご』
強風にあおられて、巣穴から転がり落ちてしまった恐竜の卵が、自分の親を探す物語です。様々な種類の恐竜たちがやってきますが、なかなか家族が見つかりません。
「あなたのたまごじゃ ないみたい」とがっかりする卵が、読み進めるうちにだんだんと心配になってきます。
卵の中身が透けるシーンでは、ページをめくる前に、実際に明かりに透かしてみましょう。恐竜好きな子どもなら、卵の家族を当ててしまうかもしれません。
どことなく北欧を思わせるイラストもすばらしく、恐竜の特徴を覚えるのにも役立ちそうです。
・書籍名:アレックス・ラティマー『まいごのたまご』
