シュタイナー教育の授業内容は?

シュタイナー教育では、具体的にどのような授業が行われるのでしょうか?シュタイナー教育の授業には、大きく3つの特徴があります。
ペーパーテストを行わない「エポック授業」
シュタイナー教育を取り入れる学校では、点数をつけて評価するペーパーテストは行われません。レポートの作成・教師の質問に対する回答の内容から、授業の理解度を判断して評価するのが一般的です。
ひとつの教科を重点的に学習する「エポック授業」も、シュタイナー教育ならではの特徴です。学校によって違いはあるものの、毎日100分ほど、2〜4週間かけてひとつの教科を学びます。その後にしばらく別の教科を学ぶことで、知識の定着をめざします。
言葉・音楽を動きで体現「オイリュトミー」
ギリシャ語で「美しい調和のリズム」を意味するオイリュトミーは、子どもの心・体・精神を整える芸術です。様々な教科を結ぶ役割のあるオイリュトミーは、シュタイナー教育にとって重要なカリキュラムです。
例えばシュタイナー教育では母音・子音の響きや文法などを、オイリュトミーの動きで学びます。そのほか、図形・音楽の法則性なども、オイリュトミーを通して習得するのが基本です。
低学年のうちは、直線・曲線や言葉の音(おん)を表現する教師を手本として体を動します。教師の手本を模倣するうちに言葉・音楽の動きを覚え、自然と法則性が身につくと考えられているのです。
感性を育む「フォルメン線描」
自由に直線・曲線・図形・模様などを描く「フォルメン線描」は、芸術的な感性・集中力を養います。シュタイナー教育においてフォルメン線描は、文字を学ぶ導入にも取り入れられている方法です。
ひらがな・カタカナ・漢字・数字はすべて、直線・曲線を組み合わせた図形・模様とも考えられます。書き順・とめ・はねのようなルールを暗記するのではなく、フォルメン線描を通して感覚から文字の理解へつなげます。
参考:特徴的な科目 | 愛知シュタイナー学園 初・中・高等部
シュタイナー教育に関するQ&A

シュタイナー教育に興味はあるものの、子どもに合うかどうかを判断できない人もいるかもしれません。最後に、シュタイナー教育に関する疑問を2つ取り上げて解説します。
モンテッソーリ教育との違いは?
シュタイナー教育と似た教育法として挙げられるのが、イタリア出身の医師によって提唱されたモンテッソーリ教育です。モンテッソーリ教育もシュタイナー教育と同じく、子どもの個性を尊重し、年齢の枠にとらわれない縦割り編成を採用しています。
シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の大きな違いは、教師の関わり方です。感覚を重視するモンテッソーリ教育では教師は裏方に徹し、子どもが興味をもった活動に取り組ませます。
一方でシュタイナー教育にはカリキュラムが設定されており、教師が活動を主導する場面も少なくありません。
卒業後の進路は?
シュタイナー教育を取り入れた学校の卒業生も、一般的な高校生と同じように4年制大学・専門学校・大学院などに進学しています。
なかには海外留学をしたり世界を旅したりと、外国で生活をする卒業生がいるのも事実です。そのほか、社会人として就職するケースや、文芸座の純団員などユニークな職業へと進むケースなど、進路からもシュタイナー教育の型にはまらない指導が分かります。
