「奇跡の40歳」美容愛好家mimiさんが語る 「好き」が叶えた居心地の良い働き方

「理想にとらわれすぎない」ことも必要

――仕事と育児の時間のバランスはどんな風にとっていますか?

子育ては同居している実母にすごく手伝ってもらっているので、その代わりにお礼をしています。あとは、掃除など外注できるところは躊躇なく外注していますね。SNSでは完璧にやっているように見えているかもしれませんが、まったくそんなことないので安心してくださいという感じです(笑)。私は自分がこうだと思うもの以外は割とこだわりがなくて、自分でやるより人にやってもらったほうが早いものはお願いしていますし、母親としては結構ポンコツです(笑)。とはいえ、私が働くにあたって原動力となっているのは、子どもの存在です。我が子を育てるためにお金を稼ぐということは絶対なので、それがモチベーションになっています。

――完璧に見えるmimiさんにそんな一面があるなんて励まされます……! こだわりや思い込みを捨てるって意外とできないですよね。

こだわりも断捨離するのが大事ですね。自分でないとできないことはそんなに多くないので、それ以外のところは手放す努力をしています。私はもともと専業主婦になりたくて子どもを産んだのですが、結局育児ノイローゼになってしまい、向いてないとわかって……。逆に仕事をしている今のほうが子どもとも良い距離感で接することができるので、私にはこちらが合っていたんだなと思います。

みなさん、ロールモデルなど誰かしら憧れている人がいるかと思いますが、それが呪縛になって自分を苦しめてしまうこともあるかと思います。そういうときは、思い込みを捨てて理想を最適化し続けることが必要だと思います。「こうあるべき」という思い込みはたくさんあるかと思いますが、それにとらわれすぎず、ときには自分の理想を変えていかなければ働きながらの子育てはなかなか苦しいのではないかなと思います。

――理想を最適化し続けることができたら、もっと軽やかに働きながら子育てができそうですね。Mimiさんの今後の展望を教えてください。

40歳を過ぎたときに「自分の幸せってなんだろう」と考えたところ、「自由であること」を大切にしたいなという結論になったんです。何かを成し遂げたいというよりは、自由に楽しいと思える仕事に生かされていたいというのが1つの野望です。

もう1つは、「自分が生きてきた価値を感じて死ねるか」ということ。人から「mimiさんに会って人生変わりました」とか「毎日肌を見るのが楽しみになって感謝しています」とか、そういう言葉をかけてもらったときに本当に幸せを感じます。社会にインパクトを与えるような大きなことでなくても、自分の手が届く人の幸せを真剣に考えていくことがいちばんやりたいことですね。

――一歩踏み出せない読者にメッセージをおねがいします。

モヤモヤの原因を整理することが大事です。環境が悪いのか、自分のやりたいことがはっきりしないのか、整理しながら考えていくと自分の課題が見えてくると思います。あとは何かを始めてみること。最初のドミノの駒を倒すのは絶対に自分でやらないとダメ。何でもいいのでその原動力となるワンアクションをすることからやってみてほしいです。同時に、色々な人と助け合って今までやってきたことがつながるときが来るので、大切にしたい人間関係を築いていくことも忘れないでほしいです。

mimi (みみ)●1983年生まれ。美容愛好家、美容インフルエンサー、歌手:山本美禰子(みねこ)名義で活動。自身が肌荒れに悩んだ経験から、最新の皮膚科学や化粧品について学び、独自のスキンケアメソッド「インテリジェンススキンア」を確立。SNSを通じて発信した、自身が推奨する美容法「ベビーオイル洗顔」が「効果がある!」と口コミで一大ブームに。2021年7月に初めての書籍『インテリジェンススキンケア 〜ベビーオイル洗顔のススメ〜』、22年10月『ファミリースキンケア ~スキンシップのススメ~』を星海社新書より刊行。各SNSへのリンクはこちら→https://lit.link/mimitan090909