【妊活は男性も当事者!】パートナーと取り組む男性妊活の重要性

将来の妊娠のため、正しい知識を身につけるべく、男性不妊治療のドクター・辻村晃先生が解説。「自分は大丈夫」と思わずに、夫婦で向き合うことが大切です。

男性不妊が増加傾向。男性も自分ごととして捉え夫婦で健康な体づくりを

 女性だけでなく男性も、“子どもがつくれる体”を目指す『男性妊活』。実は、WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊の原因の半数は男性側にも原因があるケースが多い模様。

 「病気によって状態が悪くなっていること以外にも、環境や生活習慣の影響が大きな原因としてあります。睡眠の質の低下や不規則な食生活による肥満、ストレス過多などの生活習慣の乱れや、喫煙、過度な飲酒、加齢などの晩婚化も要因。“バランスのとれた食事に気をつけること”“適度な運動”“睡眠の質を上げる”、このような健康的な生活習慣を安定させることが『男性妊活』の基本です」と、辻村先生。

 また、女性は毎月の月経やフェムケアなどで自分の体と向き合って意識する機会も多いですが、男性も一緒に自分自身の体に向き合えるきっかけとなる“プレコンセプションケア”が『男性妊活』のひとつとして今話題なのだそう。

 「“プレコンセプションケア”とは、“妊娠前の健康管理”という意味で、普段の生活から健康を意識して、子どもができる体づくりのために取り組むメソッドのこと。自分の体に妊娠力が備わっているか興味を持つ男性が増えてきたこと、また男性不妊の方が増えていることもあり、男性も重視されるようになりました。取り入れるべきケアとして例えば、『精巣を温めすぎないこと』『肌にフィットする下着よりもゆとりのある下着を選ぶ』『激しい運動やトレーニングは控える』『タバコ・飲酒を控える』『栄養素をバランスよくとること』などが挙げられます」

 でも、実際に妊活に対する意識は、男性は女性ほど高くないのが現実なんです、と語る辻村先生。

 「男性も妊活を自分ごととして捉えて、現代の不妊を取り巻く現状を知り、正しい知識を身につけることが大切です。また、パートナーと一緒に理解を深めて方向性を共有し、お互いに普段の生活からコミュニケーションを欠かさず『妊活』を心がけていけることが理想です」

〈教えてくれたのは〉
順天堂大学医学部附属浦安病院
泌尿器科 辻村 晃先生

順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授。生殖医学、性機能障害の治療に注力し、講演なども行う。著書に『名医が教える 男性妊活の最強辞典』(扶桑社)など。