「冷酷と激情のあいだvol.192〜女性編〜」では、好きではなかった男性・ヨシテルさん(50歳・仮名)から懇願され、形式上の恋人になってみたものの、やはりうまくいかないことから一刻も早く別れたいと 願っている優美さん(40歳・仮名)の心情をお届けしました。 しかしヨシテルさんは、優美さんが別れ話をするたびに、これを拒否して現在まで至るとのこと。では、ヨシテルさんは優美さんとの関係をどう捉えているのでしょうか。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

50歳、ずっと孤独だった。



モテた記憶もない(写真:iStock)

「優美ちゃんを逃したら、僕にはあとがありません。離婚をしてからもう15年くらいになりますが、正直ずっと孤独を抱えながら生きてきました。

 仕事が手堅い職種なので、世間一般では『モテる』と言われますが、離婚後も特にモテたって記憶はないですね。

 マッチングアプリも何年も続けてきたけれど、出会う女性は肩書目当ての変な女性か、お金目当ての外国人か…って感じで、まともな人にはまったく巡り会えませんでしたし。

 そんなときに優美さんと知人が主催する会で知り合って『この人だ!』って思ったから、僕から猛アプローチをしたんですよ」

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愛情がないのはわかっているけど、嫌いなわけじゃないはず



最高の環境が整った(写真:iStock)

 優美さんが自分に対して、そこまでの愛情を抱いていないことは理解しているとヨシテルさん。

 そのうえで「もう付き合って7カ月なので、僕のことを嫌いってわけでもないでしょうし。さらに関係を進めていきたいなって段階です」と話します。

「優美ちゃんに、少しでも快適な生活を送ってもらいたくて、僕はついこの前、リゾート地にマンションを買ったんですよ。

 ずっと実家で暮らしてきたのですが、すでに両親は他界しているので、僕ひとりで住んでいたんですよね。

 その実家を売ったお金で買える範囲のマンションを見つけたので、ローンもなく、優美ちゃんを迎えるにあたって最高の環境が整ったと思っています」

 嬉しそうな顔で、ヨシテルさんは買ったばかりのマンションについて、日当たりの良さや眺望の美しさなど、自慢のポイントを延々と口にします。