コンビニスイーツの王者、ローソンのスイーツを支える“4つのチャレンジ”…社内で革命を起こしたのは今も人気のあの商品

日々、進化を続けているコンビニスイーツ。いまや、コンビニで手軽に専門店並みのクオリティのスイーツを購入できるようになっている。各社それぞれに強みがあるが、ローソンをピックアップして、同社のスイーツ戦略を探っていく。

ローソンが起こしたコンビニスイーツの革命

スイーツブランド「Uchi Cafe(ウチカフェ)」などを展開し、コンビニ業界でもトップクラスの人気を誇るローソンのスイーツ。そんなローソンでは明確に、社内で“スイーツ革命”が起こったタイミングがある。

2016年、竹増貞信氏が代表取締役社長に就任すると、スイーツに“再び”力を入れ始めた。もともと、ローソンにはコンビニスイーツに革命を起こした「プレミアムロールケーキ」という大ヒット商品があり、2009年に発売されて以降、しばらく王者に君臨し続けてきた。

だがその後、他社もスイーツに力を入れ始めると、徐々にローソンのスイーツイメージが薄れていったという。そこで竹増社長は、再び“スイーツのローソン”と呼ばれるまでになろうと、スイーツ開発に力を注ぎ始めたのだ。

そうして誕生したのが、レアでもベイクドでもない、チーズケーキ「バスチー」。この大ヒットを皮切りに、ローソンは続々と斬新なスイーツを生み出していき、世間に「スイーツといったらローソン」のイメージを定着させていった。

Yahoo!ニュースエキスパートのクリエーターで、ブログ「コンビニ・サラリーマン総研」管理人であるキャプテン福田さん(@salariedman_s)に、ローソンスイーツの特徴を聞くと、ローソンには“4つのチャレンジ”の柱があると指摘する。

「一つ目は『美味しさ』へのチャレンジ。コンビニスイーツブームを作ったのは2009年のローソンのプレミアムロールケーキと言われています。北海道産生クリームと生乳を配合したミルク感たっぷりのローソンオリジナルホイップがウリで、今でも根強い人気を誇っているレジェンド商品ですが、実はさらなる美味しさを追求し、毎年のようにリニューアルされているのです。このように売れ筋の商品であっても、先へ先へと美味しさへのチャレンジをやめない姿勢がローソンスイーツの強さを支えています」(キャプテン福田さん、以下同)

プレミアムロールケーキは、これまでに180種類以上 ・シリーズ累計4億9,000万個以上を販売。そして今年の6月には、新たな派生商品「ワンハンドなプレミアムロールケーキ」をリリースした。

スプーンで食べるのが特徴だったプレミアムロールケーキを、名前の通りワンハンドで食べられる商品となっている。

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マニアが激推しするローソン最新スイーツ

「二つ目は『オリジナリティ』へのチャレンジ。マーケットにない商品を独自開発する気概もローソンスイーツの素晴らしさです。例えば『どらもっちシリーズ』。どら焼きの皮に長芋などを使用してもちもち食感を創出し、皮を薄くし“耳締め”(ふちとふちをつなぎ合わせる)をして、具材をパンパンに詰めた仕立ては他にはない構成です。
また『もち食感ロールシリーズ』では、もちもちした食感の生地にスポンジを合わせる二層を採用し、季節ごとに様々なテイストの具材を入れて楽しさ満載の商品をリリースし続けています」

ちなみに、キャプテン福田さんがいま、ローソンスイーツで最も推しているのは、「もち食感ロール」シリーズの最新作「焼きチョコもち食感ロール」だという。

もちもちした生地に硬い焼きチョコがたっぷり埋め込まれており、中にはココアビスケット入りホイップととろとろの濃厚チョコソース。食感と味わいのバランスが絶妙な一品だ。「個人的には、このシリーズの中でも最高クラスの出来栄えだと思っています! ローソンスイーツらしい美味しさ・オリジナリティ、そして“サプライズ”をしっかり感じられる商品ですね」とキャプテン福田さんは豪語する。

このサプライズもまた、ローソンのチャレンジの4つ柱のうちの一つだ。

「『焼きチョコもち食感ロール』に限らず、食べる前にイメージしていた構成や味わいを超えて来る『サプライズ感』を感じる商品がローソンには数多くあります。例えば『ご褒美スティックケーキふわ生Wチーズ』は、2種のチーズケーキを使用したスティックタイプのワンハンドスイーツですが、底の部分にカチカチに硬いクッキー生地を使用し、さらにアイシングのようなものを使って甘みを加えています。

また紙のケースが途中で折れるように設計されており、ワンハンドで手を汚さずに食べられる工夫も。このように『え?!』と驚くような一手間を加えた商品が数多くあり、サプライズ感が満足度を高めているように感じます」