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貿易・防衛・ポリコレ…トランプ大統領が日本に突きつける「3つの請求書」 高市新政権は”80兆円ディールの続き”に直面

貿易・防衛・ポリコレ…トランプ大統領が日本に突きつける「3つの請求書」 高市新政権は”80兆円ディールの続き”に直面

高市早苗新首相とトランプ大統領の初会談が、日本でまもなく開かれる。トランプ大統領がどのような要求を突きつけるのかは予測が難しいが、これまでのディールの常套手段を踏まえれば、米側が新たな貿易交渉や防衛負担、さらには「価値観テスト」にも踏み込んでくる可能性は高い。トランプ政権が高市政権に突きつけるであろう三つの「宿題」を早稲田大学招聘研究員で国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏が読み解く。

トランプ大統領から更なる貿易交渉が求められる可能性

高市新首相とトランプ大統領の初会談がまもなく日本で開催される。トランプ大統領が初見の高市首相に何を求めるかを予測することは非常に難しい。しかし、本稿ではあえてトランプ大統領が日本に求める内容を幾つか想定して提示した。

第一に考えるべきは、更なる貿易交渉である。

トランプ大統領は前任の石破首相との間で巨額の貿易交渉を取りまとめた。そのため、現状の貿易交渉内容について着実な履行が求められることは当然だ。しかし、その上で、日本側はトランプ大統領から更なる貿易交渉が求められる可能性を認識すべきだ。

日本人の多くは前回の貿易交渉がまとまったことで一安心しているかもしれない。それどころか、トランプ大統領との間で結んだ貿易交渉の一部を見直せると思っているフシすらある。しかし、これは商売が何たるかを知らず、同じポジションに数年しかいない無責任な官僚の発想だ。

自らが動く時には必ず新たな仕掛けを行う人物

トランプ大統領はディールメーカーである。そして、自らが動く時には必ず新たな仕掛けを行う人物だ。当然であるが、トランプ大統領は新首相との会談の成果を強調するために新たな貿易交渉内容を提示することになるだろう。

大統領が自国の利益を追求し続けることは、社長が自社の利益を拡大し続けることと同じだ。一度合意が得られた貿易内容であったとしても、相手の顔や状況が変われば更なる利益の拡大を試みることは自然なことだ。

日本側の前回の貿易交渉の最大のミスは、手持ちのカードをほぼ出し切った点にある。特に米国の安保関連産業にする投資約80兆円を約束した行為は軽率であったように思う。

これは米国側が想定していた同盟国に対する安全保障提供の代わりにゼロクーポンの国債購入を義務付ける案の変型版であるが、米国側も日本が最初からこのカードを自分で提案してくるとは思っていなかったはずだ。

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