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「ぱん食い競走」1日2000人の参加でギネス世界記録™にも挑戦!地域の人々がつながる、ゆるく楽しいスポーツとして再注目

「ぱん食い競走」1日2000人の参加でギネス世界記録™にも挑戦!地域の人々がつながる、ゆるく楽しいスポーツとして再注目

人々を笑顔にするぱん食い競走の“ゆるさ”

能登半島地震で地形が隆起し、広大な砂浜が生まれた輪島市町野の曾々木海岸で2025年7月、復興プロジェクトの一環として大会が開催された

地域のつながりを作り子どもを支えて社会課題の解決を図るというと、何か固いイメージを持ちがちだが、木村氏が先に語ったように“ぱん食い競走”にはそんな“固さ”とは無縁の、人を笑顔にする力がある。何故なのだろうか。

「“ゆるさ”があるからなのではないでしょうか。第2回を昨年6月に国立競技場で開催したのですが、“新宿の日”(※)にちなんだイベントで新宿にゆかりのあるメーカーさんに支援をお願いしました。すると、新宿高野さんからはクリームメロンパン、新宿中村屋さんからはどら焼き、新宿文明堂さんからはカステラをご提供いただきました。もはやパンではないのですが(笑)、誰も文句は言いません。そういったレギュレーションの“ゆるさ”に加えて、どら焼きやカステラが揺れていて、それをくわえて走る楽しさもあります。見ている人たちも盛り上がって楽しいイベントになりました。難しいルールもなく、細かいことも気にせずに楽しめるのがみんなを笑顔にする理由だと思いますね」
(※新宿の日とは、新宿をホームタウンとする、日本フットボールリーグ所属のサッカークラブ・クリアソン新宿が主催するイベント)

ぱん食い競走では、優勝者に贈られるトロフィーも、もちろんパンでできている

ゆるいといえば、協会の名称も「いっ“ぱん”社団法人 ぱん食い競走協会(設立準備中)」と「一般」を「いっ“ぱん”」としたり、設立趣意書には「スポーツパンシップに則り、楽しいぱん食い競走文化を広め……」と記載してあったり、そんなところにもゆるさがあり、皆が楽しんで子どもたちを支援している様子がうかがえる

「木村屋總本店の社員がスタッフとして参加した際、小さい子どもたちがパンを咥えて一生懸命走り、ゴールした後おいしそうにあんぱんを食べている姿を見ていると本当に嬉しくなる、やりがいを感じると言ってくれて、会社としても“ぱん食い競走”に関わる意義を感じています」

ギネス世界記録™にも挑戦!夢は世界大会の開催

ぱん食い競走文化を広める取り組みの中で、共感はさまざまに広がり、今年11月にはあの“ギネス世界記録™”に挑戦するというのだから驚きだ。浜松で行われる“第9回全日本パンフェスティバルin浜松”では、ギネスワールドレコーズ™の公式認定員の立ち会いの下、世界最大のぱん食い競走を目指す。今回の目標は、参加者2000人だそう。

「為末さんとよく話しているのは、この“ぱん食い競走”の世界大会を開催したいということです。“ぱん食い競走”は日本独自の文化のようで、第1回を日本橋で開催した時、観光で来ていた外国の方も飛び入りで参加されているのを見て、世界大会を開催しても楽しいんじゃないかと思いました。協会は“世界平和を実現するために”設立すると趣意書では謳っていますが、とはいえ、あくまでも“ぱん食い競走”です。いつでもどこでも誰でもできる競技ですので、一人でも多くの方にどこかの場所で参加して楽しんでいただきたいですね」

“あんぱん”の持てる力は、先頃のNHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」でも話題になった。木村氏が語るように、走って楽しい、応援して楽しい、パンをもらって嬉しい、皆を幸せにする“ぱん食い競走”の力は無限大と言えるのかもしれない。ギネス世界記録™達成の後、世界大会開催……。地域の人々を結び付け、一人でも多くの子どもたちに幸せを届けるため、夢は大きく広がる。

text by Reiko Sadaie(Parasapo Lab)
写真提供:いっ“ぱん”社団法人ぱん食い競走協会、Ekiden News

配信元: パラサポWEB

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