産後うつと心のケア——誰にでも起こりうること

まず、篠田さんが語ってくれたのは、自身が経験した産後うつについて。
「出産後、ホルモンバランスの変化がこれほど心と体に影響するとは思っていませんでした。」
その経験を通じて、心のケアの大切さを痛感したといいます。
篠田さんは、アイドル時代には生理について考える余裕すらなかったとのこと。
しかし産後、体の変化に敏感になったことで、自分の体と向き合う大切さに気づいたそうです。

二宮さんは、育児と仕事の両立の難しさに言及し、「家族や職場の理解があったからこそ、乗り越えられた」と振り返りました。
また、従業員アンケートの結果に衝撃を受けたと話します。
「多くの女性が生理の悩みを我慢していることを知り、職場での理解と配慮がいかに必要か痛感しました」
郡先生は医師の立場から、「生理やPMSは決して隠すべきものではありません。相談すれば改善できる問題なんです」とアドバイス。
自身に合ったケアをするかによって、仕事のパフォーマンスも大きく変わると話してくれました。
ホルモンバランスの乱れは個人差が大きいものの、ホルモン補充療法や漢方などさまざまな治療法があるとのこと。
「症状が出たら早めに受診することが、快適に過ごすためのカギです」と呼びかけました。
働く女性たちが描く、これからの未来

パネルディスカッションの最後には、登壇者たちが「働きやすい未来」への想いを語り合いました。
医師の立場から郡先生が語ったのは、柔軟な働き方の選択肢が広がる社会の重要性。
企業経営者の二宮さんは、PPIHグループでの女性管理職登用や福利厚生充実といった具体的な取り組みを紹介しながら、制度面からのサポートの必要性を強調しました。
一方、篠田さんは育児と仕事の両立というリアルな経験を通じて、「完璧を目指しすぎず、自分を褒めることも大切」と、働く女性たちへのメッセージを発信。
そして坂梨さんは、「生理やPMS、更年期は女性だけの問題ではなく、社会全体で向き合うべきテーマ」と総括しました。
制度、マインド、そして社会の意識——すべてが揃って初めて、誰もが自分らしく働ける未来が実現するのだという共通認識が、会場全体に広がりました。
