●災害現場での主な電源トラブル
大地震や台風などによる停電は、都市部だけでなく郊外でも起きており、多くの家庭が大きな影響を受けました。東日本大震災や近年の台風被害では、停電が数日、中には1週間以上続いた地域もあります。
停電下では「スマートフォン(スマホ)の充電ができず安否確認が難しくなった」「情報不足で避難所での食料配布を知らず、空腹のまま耐えた」といった声もあります。さらに冷蔵庫内の食品がすべて腐ってしまい、食中毒リスクが高まった家庭もありました。こうしたことから、防災時の電源確保の大切さが改めて認識されています。最近ではテレワークの広がりもあり、停電がきっかけで在宅勤務を継続できなくなるという新しい問題も出ています。
●コンセント不要! 「発電×蓄電」の現実的な解決策
停電時に頼りになるのは、外部電源に頼らずに「発電」と「蓄電」を組み合わせて使う方法です。近年の技術進歩で、独立型電源は実用的になりました。
ソーラーパネル+ポータブル電源
最近、特に便利になったのが折りたたみ式ソーラーパネルとポータブル電源のセットです。ベランダや庭、車の屋根など、日当たりの良い場所にパネルを設置すると自動で発電され、専用ケーブルでバッテリーに電気が蓄えられます。
最新のソーラーパネルには変換効率20%以上のモデルもあり、例えば100Wパネルなら晴天の8時間で100~400Wh程度の充電が可能です(天候や設置条件、パネルの角度によって変動します)。スマホなら複数回の充電ができますが、曇りや雨、冬季には発電量が大きく下がりますので、パネルの設置場所や角度を工夫しましょう。
屋外で使うパネルやバッテリーは、防水・防塵仕様(IPX4以上推奨)のものを選び、定期的に点検もしてください。100Wクラスのパネルが2万~3万円、1000Whクラスのポータブル電源が10万~15万円が目安ですが、容量やブランドによって変わります。最新の価格情報やセット販売もチェックしましょう。
手回し発電・各種発電デバイス
ラジオやライトが一体になった手回し発電機も、根強い人気のある防災グッズです。ただし実際の発電量は少なく、最新型でも1分間の手回しでスマホの充電は数%程度が限界です。
出力は1~5W程度。照明やラジオには役立ちますが、スマホや家電のフル充電は難しいのが現実です。それでも電池や燃料なしで使える安心感があり、「最終手段」として備えておく価値はあります。最近は自転車のペダルや歩行の振動を利用した効率的な発電機も登場し、長時間の使用にも向いています。
車のシガーソケット&オルタネーター活用
車を「移動式発電所」として活用する家庭も増えています。シガーソケットにインバーターをつなげばAC電源が取り出せますし、最近はさらに効率の良い充電方法も広まっています。
エンジンをかけてシガーソケット+インバーターでポータブル電源を充電すれば、家電も一時的に使えます。多くの乗用車のオルタネーターは500~1500W程度の発電力があるため、きちんとした機器を選べば十分な電力を確保できます。
特に注目されているのが、EcoFlowなどのオルタネーターチャージャー。走行中に効率よくポータブル電源へ充電でき、災害時にも役立ちます。ただし、長時間アイドリングを続けると燃料切れやバッテリー上がり、一酸化炭素中毒などの危険があるので、必ず換気や安全対策を徹底しましょう。
最近のハイブリッド車や電気自動車(PHV・EV)には、家庭用AC電源を外部に供給できる機能が付いたモデルが増えています。プリウスPHVやアウトランダーPHEVのようなプラグインハイブリッドの場合は災害時にも心強い存在になりますが、出力や使い方については事前によく確認してください。
「複数充電」のすすめ
災害時の経験者が声をそろえて指摘するのは、「一つの方法だけに頼らないこと」です。天気や状況によって、ソーラー、車、手回しなど、複数の方法を組み合わせる「分散充電」が、不安解消につながります。
例えば昼間にソーラーパネル、夜や天候の悪い時に車や手回し発電と、うまく使い分けましょう。家族ごとに小型のバッテリーを持つのもおすすめです。また、ケーブルやアダプターも予備を複数準備しておくと安心です。

