元天才ヴァイオリニスト・青野一が、海幕高校オーケストラ部の仲間たちと苦楽を共にし、青春のアンサンブルを奏でるアニメ「青のオーケストラ Season2」(毎週日曜昼5:00-5:25、NHK Eテレ／ABEMA・dアニメストア・ディズニープラス・Hulu・Leminoほかで配信)。その第4話が10月26日に放送された。今話では、オーケストラ部の面々が体育祭に挑む姿がみずみずしく描かれた。青野と小桜ハルの心ときめくやり取りもあり、甘酸っぱい気分になった視聴者も多かったようだ。(以降、ネタバレが含まれます)
■体育祭を前に悲喜こもごもの部員たち
2年生の間に漂っていたギスギス感が薄れ、コンクールに向けてまとまり始めたオーケストラ部。そんな中、パーカッションのセクションリーダー・佐久間優介(CV.神谷浩史)が部長の筒井俊樹(CV.金子誠)に辛辣な言葉を浴びせるのを見た青野一(CV.千葉翔也)は、たまらず割って入り、佐久間はいじめるのが好きなだけだととがめる。しかし、それは青野の勘違いで、2人は率直に意見を言い合っていただけだった。
青野の行動を見た管楽器のセクションリーダー・東金梨香(CV.佐伯伊織)は、青野の行動に胸がすいたと笑顔を見せるが、体育祭の部活対抗リレーの話になると浮かない表情に。ただでさえコンクール前の忙しい時期なのに、佐久間の推薦によってリレーの選手に選ばれてしまったのだ。日頃から佐久間とは犬猿の仲だけに、東金は怒り心頭のよう。東金の般若のごとき表情に、青野は震えあがるしかなかった。
秋音律子(CV.加隈亜衣)も部活対抗リレーの選手に選ばれたが、東金とは対照的にやる気満々。青野にとって体育祭は気が重いものだったが、良き仲間ができた今、少しワクワクする行事に変わっていた。ところが、クラスで行われた参加競技を決めるくじ引きで、楽しい気分は打ち砕かれる。騎馬戦の大将という責任重大な役割を任された青野は、プレッシャーに悶々とするのだった。
■想いのこもったハルの問いかけ
体育祭当日、行事を楽しむ律子と小桜ハル(CV.佐藤未奈子)をよそに、プレッシャーから膝を抱えて座り込む青野。そこへ佐伯直(CV.土屋神葉)がやって来る。自分も騎馬戦に出るという佐伯は、勝ったほうがコンクールで“表”になると一方的に持ち掛けるが、青野は即座に拒否。すったもんだありながら、ついに騎馬戦が始まった。
佐伯は開始直後に脱落するが、青野たちはなぜか狙われず、必死で逃げ回っているうちに騎馬戦は終了。青野が参加する青組の勝利となった。ハチマキを1つも奪えなかった青野だったが、大将を支えてくれたクラスメイトは、青野の体重が軽くて助かったと笑顔を見せる。彼らとおしゃべりするうちに、青野も気が楽になったのか、自然と笑みがこぼれる。
いよいよ、部活対抗リレーの本番が迫ってきた。リレーを見ようと座っていた青野の隣にハルがやってくるが、青野はハルの近くにハチが寄ってきたのに気づき、ハルの体を引き寄せる。ハルは思わず胸を高鳴らせるが、青野は何事もなかったかのように律子の出番を気にする。それを見たハルの口からついて出た「りっちゃんのことどう思ってますか」という言葉は、リレー開始と共にかき消されてしまうのだった。
青野とハルの胸キュンシーンと、ハルのストレートな問いに、視聴者もときめかずにはいられなかったようだ。SNSには「ちゃんとラブ部分で盛り上がれる素晴らしいアニメだ…」「青ハル要素あって最高すぎた」という声のほか、「りっちゃん派なんですけどハルちゃんも好きなんでほんと複雑」「ハルちゃんを全力で応援します」など“推し”へのラブコールも見られた。
■オーケストラ部VS合唱部、勝負の行方は
部活対抗リレーで首位争いを繰り広げたのはオーケストラ部と合唱部。音楽に青春を捧げる者同士、負けられない戦いがそこにはあった。2年生の羽鳥葉(CV.浅沼晋太郎)がリードを広げ、バトン代わりのトランペットを東金に渡すと、女子部員の声援を受けた東金は激走。勝負の行方はアンカーを務める筒井に託された。
みるみるうちに合唱部に追いつかれるも、過酷な部活の練習を思い出し、懸命に走る筒井。デッドヒートの末にオーケストラ部は1位を逃すが、東金と羽鳥は筒井に温かい言葉をかける。皆の一体感も高まり、よかったよかった…で終わると思いきや、佐久間が反省会をやると言い出し周囲はドン引き。感動とときめきにほんのりコミカルさが混じった、久しぶりの“ほっこり回”となった。
特に目立ったのは青野の活躍ぶり。前話では苦悩する滝本の背中を押し、今話では騎馬戦に勝利したことに加えて、ハルをハチから守ろうとする頼もしい一面も見られた。SNSには「青オケ2期は青野くんイケメン無双編か？」というコメントも寄せられ、主人公としても男としてもさらに株を上げたようだ。
◆文＝帆刈理恵(スタジオエクレア)
