
会長が裏で糸を引いたメディアバッシングの標的となったバルサMF。プレミア移籍を迫られ、ファンからブーイング浴びながらもなぜ“契約延長”を勝ち取ったのか【現地発】
バルセロナは10月15日、フレンキー・デ・ヨングとの契約を2029年まで延長したことを発表した。これはデコ、ハンジ・フリック、そして何よりも彼自身の成功である。
「いつも言っているように、僕はずっとバルサでプレーするのが夢だった。今、その夢を生きている。この夢をこれからも何年も続けていきたい」とデ・ヨングは強調する。
バルサとの契約を3年間延長する決断は、彼にとって難しいものではなかった。しかし、その過程は困難を極めた。デ・ヨングは、ジョセップ・マリア・バルトメウ前会長の下でバルサの将来を担う存在と目されていた。
しかしジョアン・ラポルタ現政権が誕生すると立場が悪化。会長を中心とした幹部が裏で糸を引いたメディアバッシングの標的となり、再三にわたり売却候補として名前が挙がった。しかしデ・ヨングは耐え抜いた。「周辺がどれほど騒がしくても、フレンキーは常に自分の望みを明確にしていた」と近い関係者は語る。そして彼はそれを実現させた。
デ・ヨングはバルトメウが獲得した選手であるだけでなく、パンデミック中に年俸の支払いの大部分の延期に合意していた。2020-21シーズンと2021―22シーズンの給与を大幅に削減し、その分を以降4シーズンの間に受け取ることにしたのだ。
「デ・ヨングは好きだ。ただ、彼の数字は好きではない。ピッチ上でも、オフィスでもね」と、マテウ・アレマニー(現アトレティコ・マドリー)がトップを務めるスポーツ部門は毒づいた。クラブは、バルトメウと結んだ契約について「犯罪の兆候がある」として契約破棄をほのめかし、プレミアリーグへの移籍を迫るため、内部情報をメディアにリークした。
その間、デ・ヨングは一貫して沈黙を保った。冷静だったわけではない。諦めに似た気持ちが彼を支配していた。デコのフロント入りは、そんな彼にわずかな希望をもたらした。現SD(スポーツディレクター)は早速、代理人のアリ・ドゥルスンとの接触を試みた。しかし、交渉は進展しなかった。いや、それどころか常に決裂寸前の状態にあるように見えた。「ドゥルスンは、手数料目当てでプレミアにフリーで移籍させることを望んでいる」と警鐘が鳴らされた。
ドゥルスンとデ・ヨングの同盟関係に亀裂が生じ始めた。「フレンキーがプレーだけに専念したいと思うのは結構だが、いつかは目を覚まさなければならない。それは彼自身にも影響する」とクラブ関係者は危機感を募らせた。
その影響は甚大で、足首の故障と高年俸の噂が相まって、ファンからブーイングを浴びせられる事態にまで発展した。「過小評価されていると感じますか?」と、15日の記者会見で質問されると、デ・ヨングは「いいや、チームメイトからもクラブからもそんなことは感じていない。そういった見方をしているのはあなたたち(メディア)だ」と言い返した。
それは嘘ではない。ロッカールームで彼は最も評価されている選手の1人であり、ラミネ・ヤマルからも一目置かれている。つまり否定派は外野にいて、それはまた他のクラブに売りたがっている者たちの代弁者に過ぎなかった。さらに騒ぎを起こしたいだけのメディアの道化師も加担していた。
しかし、嵐でさえ、なぜ吹き始めたのかを思い出すために、一瞬の静けさを必要とするように、デ・ヨングにとってのそれはフリックとともに訪れた。彼は、自分がなぜチーム最高の選手の1人だったのかを思い出し、ピッチの主役としての地位を取り戻した。
その間、デコはクラブがドゥルスンとの間に抱えていたペンディング案件を片付けた。ドゥルスンから解放されたデ・ヨングは、欧州の有力な代理人たちの争奪戦の対象となった。しかし、常に自らのスタイルに忠実な彼はセバスチャン・ルデュールら3人の同胞にデコとの新契約の交渉を一任した。
「自分の給料は言わないよ。いつも大げさに報じられて、それが人々の僕に対する見方にも影響してきた。もし『フレンキーが最高給取り』っていう記事を新聞で読んだら、それはあなたたちのせいだ。バルサと契約を更新できて嬉しい」とデ・ヨングは語った。今回の新契約でラミネ・ヤマルに次ぎ、ラフィーニャやペドリと並ぶチーム2番目の高給取りになる。
デ・ヨングは、ピッチ上で試合を制御するように、外野の声を封じた。
「僕はこのクラブで長くプレーし、多くのタイトルを手にしたい。ここにはとても優秀で若い選手が未来を担うスポーツプロジェクトがある。ワクワクしているよ」。
文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
【画像】日本は何位? 最新FIFAランキングTOP20か国を一挙紹介!2位と3位が変動、トップ10に返り咲いた強豪国は?
【記事】「日本はとんでもないチームだ」「本当に強い」マンUのブラジル代表FW、大逆転負けを喫した森保ジャパンに脱帽!“特に危険だった選手”は?「素晴らしいプレーをしていた」
【記事】「もう天才認定」「未来の代表ワントップ」20歳の日本人大型FWが欧州で今季3点目!劇的決勝弾に驚嘆の声!「やっぱすげーや」
