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【MotoGP】2015年セパン・クラッシュのドキュメンタリーに、バニャイヤ不満大「あまりいいアイデアじゃない。描き方も歪んでいた」

【MotoGP】2015年セパン・クラッシュのドキュメンタリーに、バニャイヤ不満大「あまりいいアイデアじゃない。描き方も歪んでいた」

MotoGPは先日、2015年マレーシアGPで起きたバレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスとの衝突をテーマとした映像を公開。しかし運営側のこの判断に対し、2度の王者であるフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)はかなり批判的だ。

 2015年のセパンは、MotoGPの歴史に永遠に残るであろう衝突が起きた。ロッシとマルケスが何度もポジションを入れ替えるバトルを繰り広げると、最後はふたりが接触……マルケスの転倒という形でバトルが終わった。

 しかし単なる接触であればまだ良かったのだが、この時イン側のロッシはアウトへと膨らみマルケスを押し出す形となっており、さらにロッシがアウト側の足をステップから外した後にマルケスがクラッシュしたことで、“蹴り”を放ったのではないかと大騒動に発展してしまった。

 ロッシはこのシーズンに悲願の10度目のタイトル獲得を目指していたが、このマルケスとのインシデントの結果、ペナルティポイントが科され、次の最終戦バレンシアGPで最後尾スタートとなってしまう。そしてこのペナルティが大きく響き、最終戦でチームメイトのホルヘ・ロレンソに逆転タイトルを許してしまった。

 このクラッシュでファン層は「ロッシ派」と「マルケス派」に完全に分裂し、“セパンクラッシュ”はMotoGP史に残る因縁の象徴となった。

 この出来事からは今年で10年が経過したが、シリーズを運営するドルナは先日、この出来事を振り返る短編のドキュメンタリー映像を公開した。ロレンソやアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ダニ・ペドロサといった当時の主要ライダーが映っている一方で、マルケスとロッシの姿は無かった。

 この映像の中では、ロッシのガレージにまだ少年時代のバニャイヤも映り込んでいた。ただバニャイヤは、このクラッシュについて詳細は理解していなかったと話している。

 そしてバニャイヤは、このドキュメンタリー映像を公開したMotoGP側の判断に疑問を呈している。丁度マレーシアGPではMoto3クラスで大きなクラッシュがあったばかりで、レース実施の判断にも批判的だったバニャイヤは、その件と合わせてドキュメンタリー公開について、次のように語った。

「いろんな面で、ライダーには“決定を下す側”にはない感受性がある」

「”セパン・クラッシュ”のドキュメンタリーを出すというアイデアは、正直あまり良いものではなかったと思う」

 またバニャイヤはキャスティングの問題や、ドキュメンタリーの公開が故マルコ・シモンチェリの命日である10月23日だったことに対しても納得がいっていない。

「一部の人物の描かれ方がかなり歪められていたと思う。あまり深く踏み込みたくはないけど、シモンチェリの命日に合わせて公開するというのも、ちょっと特別な意味を持ってしまう。正直、ふさわしいとは思わない」と、バニャイヤは不快感をあらわにした。

「今年の初めに(制作側から)この件について訊かれたことがあったけど、その時点で『今それを話すのは適切じゃない』と答えていた。ドヴィ(ドヴィツィオーゾ)も出ていたけど、彼は“何も覚えていない”と言っている。それになぜ自分が出ているのかも本当に理解できない」

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