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45歳で花王の部長職を捨て、倍率548倍の“民間校長”に。「自分は場違い」自信を失うばかりの会社員時代

45歳で花王の部長職を捨て、倍率548倍の“民間校長”に。「自分は場違い」自信を失うばかりの会社員時代

失敗するのは当たり前。何もしないことが最大の失敗

──校長として取り組みたいことに「アントレプレナーシップを持つ学生の育成」を掲げる生井さん。著書『13歳からのアントレプレナーシップ 10代のうちに身につけておきたい教養──AI時代の人生戦略』(かんき出版)も出版されましたが、生井さんにとって「アントレプレナーシップ」とはどのようなものですか?

「起業家精神」と訳されることが多いのですが、ぼくのアントプレナーシップの定義は「逆境に負けない力」です。社会に出れば、壁にぶつかることは誰しも避けられません。ですが、その壁に屈せず、やりきる力を持てるかどうかが大事になる。ぼくは、それを子どもたちや若い世代に伝えたいんです。

昔のように「言われたことを着実にこなす」だけでは、今の社会では通用しません。今は自主性や主体性を持ち、自ら情報を取りに行き、選び、決断できる力が求められる時代です。

だからこそ、学校の文化を尊重しつつも、もっと新しい視点を加えていきたいと考えています。挑戦しなければ未来は拓けません。ぼくは生徒たちに「失敗するのは当たり前」と伝えています。むしろ、何もしないことこそが今の時代における最大の失敗だ、と。挑戦して得られる経験や学びは、必ず自分の力になりますから。

──最後に、スタジオパーソルの読者である「はたらく」モヤモヤを抱える若者へ、「はたらく」をもっと自分らしく、楽しくするために、何かアドバイスをいただけますか?

ぼくには特別な才能があったわけではありませんし、キャリアだって順風満帆ではありませんでした。

「自分は場違いなんじゃないか」と感じてつらくなる瞬間や、大きな壁にぶつかることも何度もありましたが、いつだって逃げ出さずに困難を乗り越えてきたからこそ今があり、子どもたちにも多くの学びを伝えられています。

これからのキャリアに不安を感じている若い方には、「あの人にできたなら、ぼくにもできる」と思ってもらえたらうれしいです。何も行動を起こさなければ、状況は変わりません。恐れずに一歩ずつ踏み出し、努力を重ねてみてください。そうすれば、驚くべき未来が待っているはずですよ。

「スタジオパーソル」編集部/文:朝川真帆  編集:いしかわゆき、おのまり 写真:朝川真帆

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