
ビョルンは15歳で、ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「ベニスに死す」(1971年)に出演。年上の男性が執着する美少年タジオ役で一躍注目を浴びた。監督は「世界で一番美しい少年」とビョルンを称し、その言葉は人生に長く影を落とした。
映画公開後、監督とは一度も言葉を交わさず、2003年には「檻の中の珍しい動物のように感じた」と語っている。音楽家としても活躍したが、「『ベニスに死す』のせいで人生がかなり狂った」とも吐露していた。
幼少期に父を事故で、母を自死で失い、元妻との間にもうけた息子は乳幼児突然死症候群で生後9か月で死去。以後、うつとアルコール依存に苦しんだ。晩年には映画「ミッドサマー」に出演するなど深い喪失と向き合いながらも、静かに人生を歩み続けた。
