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石川祐希が第2S途中出場で9得点、ペルージャの開幕2連勝に貢献! イタリア代表OBから賛辞「ユウキは監督の信頼に応えた」【セリエA】

石川祐希が第2S途中出場で9得点、ペルージャの開幕2連勝に貢献! イタリア代表OBから賛辞「ユウキは監督の信頼に応えた」【セリエA】

現地10月26日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガの2025-26シーズン第2節が行なわれ、男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ スカイ・ペルージャは、クチーナ ルーベ・チヴィタノーヴァとホームで対戦。セットカウント3-2(25-15、22-15、25-20、23-25、15-11)で激闘を制して本拠地初陣を勝利で飾り、開幕2連勝を挙げた。

 ペルージャは先発に世界選手権2連覇を果たしたイタリア代表セッターのシモーネ・ジャンネッリとミドルブロッカー(MB)ロベルト・ルッソ、アウトサイドヒッター(OH)が同3位のポーランド代表カミル・セメニウクと元ウクライナ代表オレフ・プロトニツキ、オポジットが元チュニジア代表ワシム・ベンタラ、もう1枚のMBにアルゼンチン代表アグスティン・ロセル、リベロには元イタリア代表マッシモ・コラチを起用。石川はベンチから試合開始を見守った。

 チヴィタノーヴァもイタリア代表から主力OHマッティア・ボットロ、MBジョバンニ・マリア・ガルジューロとリベロのファビオ・バラソの3選手が先発メンバー。同代表の次世代司令塔として呼び声高い21歳マッティア・ボニンファンテ、ストレート勝利したグロッタッツォリーナとの開幕戦で30得点(アタック25、エース4、ブロック1)を叩き出したブルガリア代表アレクサンダル・ニコロフとカナダ代表エリック・レプキーのOH2人とベルギー代表MBヴァウト・デヘアを加えて布陣を組んだ。

 昨季プレーオフ準決勝でペルージャの連覇を阻んだ宿敵チヴィタノーヴァを迎えてのホーム初陣とあって、本拠地パラバルトン・エナジーは超満員。リーグ優勝決定戦に匹敵するほどの熱気が渦巻くなか、激戦の火蓋が切られた。
  第1セット、序盤の均衡を破ったのはツーアタックでサイドアウトを奪った直後にエースを決めたジャンネッリ。そこからリズムに乗ったペルージャは、終盤になりセメニウクがこの日、精彩を放ったサーブで相手にプレッシャーをかけてルッソが4連続得点を挙げるなど、大量リードで試合を先行した。

 第2セットもセメニウクの好サーブからルッソの連続ブロックで序盤に3点のリードを手に入れる。ところが中盤、チヴィタノーヴァが武器のサーブで反撃を開始。4選手にエースを決められ追う展開を強いられたペルージャは、16-19でプロトニツキに代えて石川を投入する。終盤に石川のサーブでブレークを奪い1点差へ詰め寄るが、形勢を覆すに至らず、このセットを奪われた。

 石川は第3セットも開始からコートイン。自身最初の得点となったレフトでのブロックアウトと強烈なバックアタックでリードに貢献する。中盤の入りに3点のビハインドを負ったチヴィタノーヴァがタイムアウト。ジャンパオロ・メデイ監督は、「サーブのターゲットはイシカワ」と強い口調で指示を出した。以降、石川はビッグサーブへのレセプション対応に手を焼き巻き返しの機会を与えてしまうが、自らのサーブでブレークへとつなげて踏みとどまり、逆転を許さず奮闘。得意のレフト攻撃でラリーを制して再びリードを4点へと広げる。チヴィタノーヴァに最終局面でサーブとアタックのミスが続き、ペルージャが白星へ王手をかけた。 第4セット、ここで試合を決めたいペルージャはセメニウクの快調なサーブでエース1本を含む連続ブレークに成功。レセプションの安定感を引き上げた石川が、息の合ったジャンネッリのセットからバリエーション豊富な攻撃を繰り出して前半に4得点を挙げる。最大6点のリードを手にしてそのまま勝利をものにするかと思われた。

 だが、ともに優勝候補の上位に名を連ねるチヴィタノーヴァの猛攻が待っていた。高速のまま際どいところを突くサーブに押され始めたペルージャにミスが目立ち始め、2段トスを上げる場面の連携ミスや被ブロックなどで失点。終盤には、試合途中から起用の相手OHイラン代表ポリア・ハンザデのサーブでエース1本を含むブレーク4回を許して逆転されてしまう。セットポイントを1度しのいで23-24として粘るも、ジャンネッリのサーブがネットにかかりフルセットへ持ち込まれた。

 勝敗がかかる最終セットの前半にサーブとレセプション、加えてアタックでもミスが散見したペルージャは流れをつかめず2点ビハインドでコートチェンジを迎える。後半突入を前にタイムアウトを取ったアンジェロ・ロレンツェッティ監督は戦術の指示や確認には一切触れず、「いったい何がしたいんだ?毎日、練習しているのに」と選手たちを一喝した。

 すると、チームはすぐさま反応する。まずは、ベンタラが3連続得点。間髪を容れずに、セメニウクも試合を通して流れを呼び込んでいたサーブで相手を苦しめ、自らのバックアタック2本で一気に形勢を覆す。さらに石川がレフトから強烈なクロス弾をお見舞いして10-12。その威力は、打球コースを正面で捉えディグを試みたニコロフが吹き飛ばされるほどだった。そして、リリーフサーバーに新加入の元チェコ共和国代表OHドノヴァン・ジャヴォロノクを送りこむと、相手セッターのツーアタックが誤打となりマッチポイントを握る。

 そして最後は、2本目のサーブでレセプションを乱したところをジャンネッリがダイレクトで叩き返して激闘に決着。ペルージャが宿敵を倒してホーム初戦を勝利で終え、開幕2連勝を飾った。
  第2セット後半から出場した石川は、アタックで9得点。要所で決め切ったアタックはどれもが余裕を感じさせ、その性能はシーズンが進むにつれてさらに上がりそうだ。また、好調ぶりは開幕前の多忙なスケジュールの中でコンディション調整に注力した証と言えるだろう。

 イタリア国営放送Raiがこの対戦を会場から生中継。同国が世界選手権で初優勝を果たした1990年大会当時の代表主将で試合の解説を務めたアンドレア・ルッケッタ氏は、「ユウキは監督の信頼に応えた」と石川のパフォーマンスに賛辞。また、ペルージャのサポーターたちからも、「ユウキはすごく良かったね」「あのアタック見ただろ?マンマミーヤだよ」「開幕戦も良かったけれど、今日もブラボーだったぞ」など、高評価が続いた。

 ペルージャの次戦は、中2日で臨むレギュラーシーズン第3節(日本時間10月30日午前4時30分開始予定)。ホームでソネパル・パドヴァを迎え撃つ。

取材・文●佳子S.バディアーリ

【動画】セリエA第2節チヴィタノーヴァ戦のハイライト

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配信元: THE DIGEST

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