京都府有形文化財・旧加悦町役場庁舎──地域の象徴が舞台になる

「旧加悦町役場庁舎(きゅうかやちょうやくばちょうしゃ)」は、昭和初期のモダンな建築様式が印象的な建物です。もともとは、昭和2年の大震災で倒壊した庁舎の跡地に、昭和4年(1929年)に再建されたものです。淡いベージュの外壁と左右対称のデザインが印象的で、時代の移り変わりを経てもなお、堂々とした佇まいを見せています。

建物は、平成から令和にかけての保存改修工事により大きく生まれ変わりました。腐朽していた床や車寄せなどを修復し、耐震補強や設備更新を行ったことで、現在では一般公開される文化施設として再び息を吹き返しています。内部には、かつて議会が開かれていた2階議場や、庁舎として使われていた1階フロアが残り、当時の雰囲気をそのまま感じられます。
この庁舎は「ちりめん街道」の北端に位置し、伝統的な町並みを見守る象徴的な存在でもあります。令和2年には京都府の有形文化財に指定され、地域の歴史を語り継ぐ重要な建物として位置づけられました。
そして今回、選定20周年記念イベント「人と時、つなぎ織りなす ちりめん街道」のメイン会場にもなるこの庁舎。文化財でありながら、今も人が集い、音楽やトークが響く“生きた空間”として活用されている点に、この地域の魅力が凝縮されています。過去を守りながら、未来へつなげる。そんなまちづくりの象徴的な場所です。
11月24日、20周年記念イベント開催──文化を未来へつなぐ一日

与謝野町の「ちりめん街道」が重要伝統的建造物群保存地区に選定されてから、2025年で20年。
その節目を祝う記念事業「人と時、つなぎ織りなす ちりめん街道」が、2025年11月24日(月・祝)に開催されます。会場は、ちりめん街道の象徴でもある旧加悦町役場庁舎。歴史ある建物を舞台に、トークや音楽、映像を通して地域の文化と未来を感じるプログラムが予定されています。
午後3時30分からは、「20年 一歩一歩、さらに一歩」と題したトークセッションを実施。他の伝建地区の関係者や地元小学生による探究発表を交えながら、これまでの歩みと次の世代への継承について語り合います。地域の歴史を守る取り組みを、未来へどうつないでいくかを考える貴重な機会となりそうです。
日没後には、旧庁舎の外壁をスクリーンに映し出すプロジェクションマッピングを上映。ちりめん街道の情景や20年間の歴史を映像で表現し、幻想的な光の演出で夜の街を彩ります。続いて、地元ゆかりの音楽家・尾藤大介さんによるフラメンコライブも行われ、ギターと歌、舞踏が織りなす迫力あるステージが予定されています。
また、京都府事業として開催される「Music Fusion in Kyoto 音楽祭」も、与謝野町会場として同日実施。旧庁舎と浄福寺の2か所で行われるライブには、町内外の音楽ファンからも注目が集まりそうです。
過去と未来をつなぐ特別な一日。建物も人も、そして文化も、時を超えて新たな物語を紡いでいく。そんな記念すべき節目にふさわしい催しとなっています。
