開発の対価は「時間」から「価値」へ
これまで開発は「人月」という時間の積み重ねで価格が決まってきました。しかし、AIと自動化がスピードを底上げした今、時間そのものの価値が薄れています。
では、エンジニアの価値はどこに宿るのか。CのようにAIを適切に使いこなせるスキル。Aのように技術を知らずとも構想を言語化し、AIと対話できる力。DやEのように、新しい対価モデルを設計できる視点。共通しているのは、「判断し、設計し、価値を定義する力」が価値になっていることです。
開発の対価とは、もはや「コードを書いた時間」ではなく、「価値を生み出す思考」に支払われるものへと変わりつつあります。
AIが再定義するのは“時間”ではなく“価値”
AIが仕事を奪う──そう言われて久しいですが、実際に壊されつつあるのは、仕事そのものではなく「仕事の前提」です。人月、納期、請負契約といった、時間を基準にしていた“当たり前”が静かに姿を変えています。
AIが再定義したのは「速さ」ではなく、「価値をどう測るか」。開発の世界で起きているのは、「人が生み出す価値」をもう一度見つめ直す動きです。これからの時代、問われるのは「どれだけ作れたか」ではなく、「何を実装し、どう社会を動かしたか」。AIが変えるのはエンジニアの仕事ではなく、エンジニアの“価値基準”そのものなのです。
そして特にクライアントワークにおいては、その対価を発注者に対して納得させるプレゼンテーション力や営業力も求められるようになるでしょう。
著者プロフィール
久松剛
合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼レンタルEM
IT開発組織づくりの水先案内人。合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼レンタルEM。博士(政策・メディア)。IT研究職(動画転送、P2P)からビジネスに転身。ベンチャー3社で中間管理職を歴任。2022年に現職創業。大手からスタートアップに至るまで常時約20社でITエンジニア新卒・中途採用や育成、研修、制度設計、組織再構築、DevRelなどを幅広く支援。人材紹介会社やフリーランスエージェント、RPOの顧問も手掛ける。

