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【現地取材】ペルージャ2季目を迎えた石川祐希を本拠地で直撃! 求められる高いレベル、変わらぬ“イシカワ節“「まだまだできることはある」

【現地取材】ペルージャ2季目を迎えた石川祐希を本拠地で直撃! 求められる高いレベル、変わらぬ“イシカワ節“「まだまだできることはある」

バレーボール男子のイタリアリーグ/スーペルレーガはレギュラーシーズン第2節が終了。シル スーザ スカイ・ペルージャの一員として2季目を送る日本代表の主将・石川祐希が、優勝候補同士の熱戦を勝利で終えた直後の本拠地でインタビュー取材に応じた。

 この日の対戦相手は、クチーナ ルーベ.・チヴィタノーヴァ。今年のネーションズリーグと世界選手権で確かな足跡を残したブルガリア代表アレクサンダル・ニコロフ(OH)やベルギー代表ヴァウト・デヘア(MB)ら20代前半の若手のほか、世界王者の座を堅守したイタリア代表マッティア・ボットロ(OH)、ジョバンニ・マリア・ガルジューロ(MB)とファビオ・バラソ(L)を擁する勢いあるチームだ。パワフルな攻撃と脅威を与えるサーブだけではなく、守備も堅い難敵。ペルージャにとっては、昨季のプレーオフ準決勝でリーグ連覇の大望を打ち砕かれた因縁の相手でもあった。

 試合は3-2(25-15、22-15、25-20、23-25、15-11)でフルセットの激闘を制したペルージャに軍配。開幕戦で好調なパフォーマンスを披露した石川はベンチスタートだったが、2セット目途中からコートに立つと多彩と呼ぶにふさわしい攻撃力で9得点を挙げて勝利に貢献。数分前に決着がついたばかりのコートで、まずは試合を振り返った。

「チームとして1セット目は非常に入りが良かったですね。2セット目もリードされている中で僕が途中から入って追いつけそうでしたが、落としてしまいました。3セット目以降はスタートから出場して、プレー内容は悪くはなかったと思います。アタックは、(4セット目に)ハイボールをアウトに打ってしまったのでそれは反省点でありますけど、うまくリバウンドが取れたり良いボールは決められたので、これを継続していきたいなと思います」
  開幕戦に続き、伸びやかでキレのあるアタックが印象に残った。とても良い感触で打てているようにみえるが?との問いに、「そうですね」と即答。「アタックに関しては2シーズン目なので、トスとの合わせがしっかりできてきて、良い状態で打てていると感じています」と述べた。ペルージャでの新たなキャリアが幕を開けた昨シーズン開幕時、イタリア代表の司令塔シモーネ・ジャンネッリが2メートルの身長から繰り出すセットとの調和を模索したあの頃がずいぶん昔のように思えた。

 今季を戦うにあたり、アンジェロ・ロレンツェッティ監督が掲げたのは、“チームの変貌“。プレースタイル、選手起用や戦術などにおいて、場合によってはこれまでの価値観を捨てる必要もあると話した。重要なひとつとして挙げたのは、状況判断にテクニックを落とし込むこと。それは得意とするところでは?と訊くと大きくうなづいた後、解釈を次のように語ってくれた。

「ペルージャでは、プレーに関して様々なことを求められます。例えばスパイクであれば、リバウンドをうまくとるのかブロックアウトを狙うとかありますけど、やっぱり一番求められているのは(ハイパフォーマンスを維持しながら)ミスをしないこと。自分でいくことが難しい状況であればブロックを使ってリバウンドに切り替えるとか、そういった瞬時の状況判断を求められています」

「サーブレシーブに関しては、今日の試合でもライン際のエースを取られたケースがあったと思いますけど、それをエースにさせないこと。反応するのですらとんでもなく難しいので、それをエースにしないということは、もうとにかく反応して上にあげることを求められています。僕は今日の試合で、5番に打たれたサーブをフライングでギリギリつないだんですけど、それがまさに求められていることだと思います」

「サーブもミスをなくすことが要求されています。今日は後半に選手全員が強く打ちに行き過ぎたことでサーブミスが増えてしまいましたけど、そうではなくて1セット目のようにバリエーションを活用する。フローターを打てる選手はそれを取り入れたり、ショートサーブを使ったりですね。どんな状況でもそういった瞬時かつ臨機応変に適切な判断を行なうことが、今まさに求められていることです」 多くのバレーボール選手が実践していることにも聞こえるが、舞台は猛者が集う世界最高峰のイタリアリーグだ。ハイポテンシャルな選手やチームと対峙しながら、これまですでに通用していたこと、今でも十分にできていることにさらなる磨きをかけるのだから、その壁は想像を優に超える高さのはず。それを超えていくことは面白そうか?との問いかけに、「それは...まぁ」とニヤリと笑っていた。

 そして、こう続けた。

「今のチームは非常にフィジカルなので、それだけの勝負ではなく、やっぱりテクニックと戦術で戦うことを監督は求めています。自分たちは、『Squadra di tecnico e tattico (技術と、戦いに勝つための具体的な手段・方法の追及に根ざしたチーム)』だと言われているので、そこは追い求めるべきところだと考えています」

 解説者の元イタリア代表アンドレア・ルッケッタ氏が、「監督の信頼に応えた」と贈った賛辞を伝えると、第4セットの誤打に言及。19-16で前述にもあるようにサイドライン際を狙った相手のサーブをフライングレシーブで上げた。すぐさま起き上がってレフトからクロス方向に深くアタックを放ったが惜しくもラインを割った。そこからチヴィタノーヴァのブレークが4本続き、ペルージャは終盤に逆転を許してそのセットを譲り渡した。

「4セット目にいいレシーブをした後にちょっとミスをしてしまって、そこから流れを崩してしまったので。そのようなことをなくしたり、まだまだできることはありますけど」と、まず返ってきたのは1年ぶりに聞くイシカワ節。それから、こう続けた。

「今日の試合は全体的には、途中からの出場でいいプレーができたんじゃないかな」

 常に厳しい自分への言葉。それを聞きながら、「また新しいシーズンが始まったんだな」と思えた。
  そして、最後に尋ねたのは2段トスを上げる場面で起きた元イタリア代表リベロ、マッシモ・コラチとの珍しい連携ミス。直後のコートでは、どちらが引き受けるべきだったのかを確認する両選手の姿が見て取れた。石川は自身の判断に確信がある面持ち。試合後もコラチが石川に歩み寄り話し込んでいたが、その表情が変わることはなかった。

「チームには、リベロが声を出したら、もしボールを取りに行きかけていても取らずに任せるルールがあります。あの時はマックス(コラチの呼称)の声が聞こえたので、ギリギリではありましたけど引いたら、マックスの準備ができていなくてあのミスになってしまったんです」

 ペルージャ在籍9年目の先輩であり、10歳上のベテランに毅然とした態度で向き合う背番号14にたくましさを越えた凄みを感じずにはいられなかった。「お前のボールだろ?」「あなたのでしょ?」――。おそらく、そんなやりとりだったはずだ。

 まったく引いていませんでしたね?と言って顔を見上げると、少し眉を上げながら「いやいや、リベロが声を出したらボールを奪ってはいけない。それがチームのルールなんで」と冗談めかして返した。

“イタリアンなユウキ”の一面に遭遇したエピソードで取材は終了。石川が壁を登り切った先にあるのは、やり残したスクデット(リーグ優勝)であって欲しいと願っている。

取材・文●佳子S.バディアーリ

【動画】セリエA第2節チヴィタノーヴァ戦のハイライト

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配信元: THE DIGEST

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