先日のF1メキシコシティGPではアストンマーティンからFP1に出走したジャック・クロフォード。2026年からは同チームのリザーブドライバーを務めることになった。
既にシミュレータ業務でも印象的な働きを見せているというクロフォードは、F1マシンでの走行距離も2000kmを超え、来季からは満を持してリザーブドライバーにステップアップする形。彼は次のようにコメントした。
「2026年のサードライバーに就任できたことを本当に誇りに思う。これは自分にとって大きな節目であり、学び続け、チームに貢献し続ける大きなモチベーションになる」
「過去2年間、ファクトリーやサーキットでF1の環境に身を置く中で、多くのことを学んできた。これからもチームを支え、ドライバーとして成長を続けるために全力を尽くしたい」
F1参戦2戦以下のドライバーの起用義務を消化するため、20人中9人がルーキードライバーとなったメキシコシティGPのFP1。アストンマーティンの育成プログラムに属するクロフォードもそのひとりで、彼にとっては初のF1公式セッション出走となった。
セッションを19番手で終えたクロフォードは、自身に任せられた仕事について「とにかくクリーンに走って、プログラムを消化することだ。フェルナンド(アロンソ)とはプランが違っていて、僕はいくつかのアイテムもトライして、シミュレータとのコリレーション(相関関係)もとれた」と説明した。
初めてのF1マシン、どんな点に難しさや新鮮さを感じたのか? これについてクロフォードはこう語った。
「とにかくやることが多い。無線が常に流れていて、特にクールダウンラップではエンジニアがずっと何かを話している。どこを改善できるか考えながら、同時にトラフィックやいろんな指示を処理しないといけない。それがすごく大変だ」
「トラフィックも酷くて、クリーンなラップにするのが難しかった。ダーティエアもかなり厄介で、当然それはテストなどではあまり経験できることではない。かなり慌ただしかったね」
クロフォードは今季、DAMSからFIA F2に参戦。フィーチャーレースで3勝、スプリントレースで1勝を挙げる活躍でランキング2番手につけている。カタール、ヤス・マリーナでの残り2ラウンドで、19点差でシリーズをリードするレオナルド・フォルナローリを逆転することを目指す。
F2は前回のバクー戦から次のカタール戦まで2ヵ月という大きなインターバルがある。ここ最近は旧型F1マシンによるテストもなかったというクロフォードは、「F2はちょうど長い休みになっているので、感覚を保つためにもサーキットで走れたのは良かった。次のラウンドに向けても良い状態だ」と語る。
このままの順位でF2を終えれば、F1参戦に必要なスーパーライセンスのポイントも発給条件を満たすことになるクロフォード。彼はF2参戦を今季限りとし、リザーブを務める来季はF1レギュラーシート確保に向けた「学びと準備の1年」に充てるという。
「間違いなく、F2はラストイヤーになるだろう」
「良い形でシーズンを終えたいし、もちろんチャンピオンになりたい。それが当然ながら目標だ。ただF1には空きがない状態だから、以降はF1のレースシート確保に向けて学び、成長し、準備を進めることになる」
「既に準備ができているとは思っているけど、1年間外野で過ごして準備を進めれば、もっと万全な状態になると思う」

