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夫婦のじかん大貫さんが脚本家デビューに向けて“216倍”突破! 「少年ジャンプの主人公並みに成長した」というNHKプロジェクトとは

神保町花月での経験が脚本に生きている

――脚本は書き方が独特ですが、そのあたりのハードルは感じませんでしたか?

15年くらい前、神保町花月でずっとお芝居をやっていたんですけれど、そこで、考えるヒマもなく、ものすごい数のお芝居に出たことが、ここで生きたなと思います。演者として、いろんな方の脚本を目にする機会があったので、普通の人よりも脚本に触れる機会は多かったし、体に染みついていたんです。自分が書くときに「こうしたら演者の人はやりやすいだろうな」みたいなことも考えるので、そういう意味でも、いまもその経験が役立っているんでしょうね。

――実際のプロジェクトはどのように進められているのでしょう?

今年の6月からスタートしたんですけど、実際に海外ドラマをみて「この作品はこういう仕組みになっている」というのを学んだり、その物語を3行ぐらいで表現してみたり。自分の作品はそれで表すとどうなるのかとか、脚本を構造的に捉えて、まずは学んでいくところからでしたね。

大事なのは「いかに見ている人を飽きさせないか」。そのためにはどうするかを学びつつ、自分の作品作りにどう生かすかという作業が難しかったですね。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

あとは、これに参加するまでは、自分の強みとかがわかっていなかった。でも、ブレストなどでお互いに「こういうところがよかった」とか、そういうやり取りをしていくなかで、「自分のいいところって、この辺にあるのか」とわかっていきました。メンバーでお互いにフィードバックなどもするので、自分1人だけでなく、メンバーみんなとともに、相乗効果で何倍も一気に成長できた感じがありますね。

子どもには“仕事=イヤなもの”と思ってほしくない

――お子さんが2人いて、毎日の育児のなかで、そのチャレンジをするのがすごいなと思います。

子どもは小2と年少なんですけれど、育児漫画を描いていたこともあって、育児関連のママ仕事みたいなことを多くいただいていました。それは本当にありがたかったんですけど、「このままじゃ、自分の中に何もないのに育児関連の仕事だけやっている人になってしまう」という気持ちもありました。「自分ならでの強みを持っていないとダメだな」と感じたんです。子どもが学校や保育園に行っている間にとにかく脚本を書いて、間に合わなかったら子どもたちが寝たあとになんとか起きてきて、また続きを、みたいな感じ。ほんとに間に合わないときは、土日に夫に子どもたちを公園に連れ出してもらって、その間に書くという生活でした。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

もちろん「(パパより)ママがいい」と言われることもあるんですけど、「ママ、仕事なの、ごめんね」ではなく、ママがいま、どんなことをやっているかを見せたり、説明したりするようにしてました。そうすると子どもでも「ママ、すっごい忙しいじゃん。公園で遊んでくるよ」と理解して、応援もしてくれる。

仕事=イヤなもの、大変なものみたいなイメージを持ってほしくはないんですよね。仕事はママの邪魔をするものではないし、みんなの生活のために、みんなで力を合わせていくものだよっていうことも教えたいというか。

――今回のプロジェクトで脚本技術の理論を学んで、そして強みもわかってきたということですが、この先、どのようなことをやっていきたいですか?

プロジェクトで書いて、ブレストをしてきたものがあって、それを提出すると終わりなんですが、昨年は、このプロジェクトから実際にNHKで映像化されたんです(ドラマ『3000万』)。なので、まずはそれに選ばれたら、これ以上なくうれしいです。

でも、選ばれなかったとしても、せっかく脚本について深く学んだので、それを生かしてやっていきたいなと思います。吉本所属には、芸人でも役者としてすごく活躍されている方も多いじゃないですか? 自分が芸人であるという強みも生かしつつ、そういう人がもっと輝けるような作品を書けたらいいなと思います。感度のよい方々が芸人にはたくさんいるので。

――ちなみに、どういうドラマが好きなんですか?

恐れ多くも、誕生日が同じという三谷幸喜さんの作品や、古沢良太さんの作品のように、すごく仕掛けの上手いコメディなんだけど、ちょっとミステリー要素もあったり、というようなものが好きですね。コメディ展開のなかでも、忘れたころに人間ドラマが出てきたり、脚本の力が強い方々なんですよね。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
配信元: FANY Magazine

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