FIAは、F1に参戦する全10チームが2024年シーズンのコストキャップ(予算制限)を遵守していたことを発表した。ただし、アストンマーティンのみ手続き上の違反があったことが確認された。
F1は2021年よりコストキャップ制度を導入しており、莫大な予算を投じていたトップチームと予算の少ない下位チームの間にあった格差を解消することで、より拮抗した争いを演出している。初年度の上限額は1億4500万ドル(約220億円)だったが、2025年は1億3500万ドル(約205億円)まで引き下げられる。
今回の調査は7ヵ月にわたって行なわれた。そしてFIAは10月28日に、2024年シーズンの要件を満たしたチームについて発表した。
声明によると、全てのチームが必要な情報の提供に全面協力しており、「プロセス全体を通じて、常に誠実かつ協力的な姿勢で行動した」とされている。
ただ既報の通り、メキシコシティGPのレースウィークの時点で、アストンマーティンが手続き上の違反を犯したことが明るみに出ており、他チームにも違反の可能性があると噂されていた。
しかし今回の発表で、違反が確認されたのはアストンマーティンのみであり、同チームも実際の予算上限額自体は遵守していたことが明らかになった。
FIAはアストンマーティンの違反について、次のように説明している。
「本件はごく軽微なものであり、当該F1チームの管理外にある予測不可能な事情によって発生したものだ」
「AMR(アストンマーティン)とFIAは2025年9月29日付でABA(違反承認合意書)を締結し、問題を解決した」
またF1側からの声明では、アストンマーティンに対して罰金が科されていないことが明らかにされている。声明文は以下の通り。
「予測不能で特別な事情を考慮し、AMRに対しては金銭的な罰則は科されていない」
「コストキャップ管理部門は、AMRがこの違反によって不当な利益を得ようとした、または得たという証拠・主張は一切存在しないことを確認している」
F1の財務規則第6.28条に基づくABAは、FIAが提示した処分案を当該チームが受け入れる形で和解する制度となっている。声明では、アストンマーティンがこれを正式に受け入れたとされている。
今回の違反内容は、各チームが翌年3月31日までにコストキャップ遵守を証明する書類を提出する義務に関するものだ。
motorsport.comの取材によると、アストンマーティンは期限内に書類を準備していたものの、外部の監査人が不可抗力の事情で署名できず、結果的に提出期限を過ぎてしまったのだという。
過去にコストキャップに関して手続き上の違反を犯した例として、2023年のルノーとホンダがある。彼らはパワーユニットの予算制限の申請に関して、ABAにより和解している。一方で2024年は、メルセデス、フェラーリ、ホンダ、ルノー、アウディ(2026年より参戦予定)のいずれのPUサプライヤーも完全に規定を順守していた。
F1チームがコストキャップ自体を超過した唯一のケースは、2021年のレッドブルである。彼らは上限を5%超過したとして、700万ドル(約1億円)の罰金と風洞・CFD開発時間の10%削減という制裁を受けた。

