ホンダのプロモーション動画に、4度のF1世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が登場。同社の航空機事業子会社ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)が手掛ける新型ホンダジェット・エリートIIを見て回った。
今季までホンダ・レーシング(HRC)製のパワーユニット(PU)でF1を戦うレッドブルのフェルスタッペン。年間24戦という過密スケジュールをこなすために自身もプライベートジェットを所有しており、イタリアの空港を訪れたフェルスタッペンはロビン・バレン機長の説明を受けて、HACIの小型ビジネスジェット機に高い興味を示した。
「離陸時の出力はF1エンジンと同等だ」
そう説明したバレン機長に対して、フェルスタッペンはこう答えた。
「(エンジン)マウントも気に入った。他のジェット機とは一味違う」
そしてフェルスタッペンは、電装部品が詰まった機体のノーズを見て「まるで弾丸みたいだ」と語った。
またコックピットに座ったフェルスタッペンは、ホンダジェット・エリートIIが備える装備を一通り見渡した後「ボタンが少ない……本当に先進的だね。すごくクールだ」と語り、「これなら慣れることができそうだ」と続けた。
2022年に発表されたホンダジェット・エリートIIは、象徴ともいえる“エンジン主翼上面配置”のコンセプトをそのままに、航続距離が延長されたほか自動化が進められたモデル。フェルスタッペンがイタリアで見学したのは、エリートIIで新たに設定された“ブラックエディション”カラーであり、自身が所有するプライベートジェット機とも似た配色だ。
フェルスタッペンは2020年にヴァージン・グループ創設者リチャード・ブランソンから購入したダッソー・ファルコン900EXを使用してきたが、最近になってプライベートジェット機を変更。ダッソー・ファルコン8X(登録記号PH-UTL)にステップアップした。噂では、同機には約5800万ドル(約86億円)を費やしたともされている。
フェルスタッペンが現在所有する大型ビジネスジェット機であるファルコン8Xは航続距離6450海里(1万1945km)、最大巡航速度980km/h。一方で小型ビジネスジェット機であるホンダジェット・エリートIIは航続距離1547海里(2865km)、最大巡航速度780km/hと開きがある。なおHACIが2026年の初テスト飛行を目指すホンダジェット・エシュロンは、航続距離2625海里(4862km)、最大巡航速度834km/hとなる計画だ。
レッドブルとホンダは2026年からそれぞれの道を進むため、フェルスタッペンとホンダの物語も2025年限りとなる。レッドブルはフォードと共に次世代パワーユニット(PU)を独自開発。ホンダはアストンマーティンにワークスPUの供給を開始する。

