俳優・大沢たかおさんの肖像を“完売画家”として知られる中島健太さん(関連記事)が描いた最新作「忘れえぬひと」が中島健太さんのInstagramで公開されました。ありのままを忠実に描くことを基本とする「写実絵画」の分野で国内外から高い評価を受ける中島さんが、自身初の男性像として挑んだのは120号(縦約2メートル、横約1.5mメートル)という超大作。“俳優・大沢たかおさんの生き方”への深い共鳴を経て完成したという本作について、ねとらぼ編集部が取材しました。
完売画家”中島健太とは──
中島さんは武蔵野美術大学在学中からプロ活動を開始した写実画家で、2009年と2014年には日本最大の総合美術展覧会「日展(日本美術展覧会)」で20代ながら特選を受賞。これまでの制作作品は700点以上で、その全てが完売することから“完売画家”の異名を持ちます。
今回の作品のモデルとなったのは日本を代表する俳優・大沢たかおさん。専修大学在学中にモデルデビューを果たし、ドラマ「若者のすべて」「星の金貨」「JIN-仁-」、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」など数々の話題作に出演しています。
2016年からは約2年の休業状態となりましたが、2019年公開の映画「キングダム」の王騎役のオファーを引き受けて大きな話題に。2024年からはかわぐちかいじさんの代表漫画である「沈黙の艦隊」の実写化シリーズで主演を務めるほかプロデューサーも兼任し、2025年9月26日には最新作「沈黙の艦隊 北極海大海戦」が公開されました。
40代、足りないものを探してたどり着いた大沢たかおの生き様
中島さんは大沢さんとの初対面について「突然野生の動物に遭遇した時の感動。それが一番近い感覚かもしれない。分厚く、大きく、美しい。その体を通して発する声はまるで楽器のように透き通っていた」と語り、一瞬で空気が変わるような“圧”を感じたと振り返ります。
また印象的だったことについては、大沢さんと初めて目があった瞬間を挙げた中島さん。
「『君は今を生きているかい?』と 優しく目尻に皺を寄せつつ、澄んだ目の奥からそう聞かれているような気がした」と話し、そんな強烈な体験が本作のインスピレーションとなって約1カ月大沢たかおさんのことだけを考えて描き続けたと明かしました。
そんな中島さんですが、40代に入り「仕事もプライベートも恵まれているのに、何かが足りない」、そんな感覚を覚えていたといいます。
「知人に“ミドルエイジクライシス(中年期特有の心理的危機)では?”と言われたんです」
そんなとき中島さんが目にしたのが、俳優・大沢たかおさんのインタビュー記事でした。そこには40代後半で約2年、大沢さんが俳優活動を休止していたことが語られていました。
休業の理由は「頑張っても頑張ってもドキドキしなくなった」から。
記事を読んだ中島さんは「あの大沢たかおでも、こんなことを思うのか……」と衝撃を受け、それと同時に「その感覚と正面から向き合い、2年もの間表舞台から遠ざかれる生き様にも同時に感銘を受けた」といいます。

