
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
【画像】え…っ! めっちゃ美味そう コチラが小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が大好きだった「エッグス・フーフー(独自語)」です
糸こんにゃくで連想したものは
2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。第5週では、ついに主人公「松野トキ(演:高石あかり)」の未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が、英語教師として松江市にやってきました。
本作の23話では、「花田旅館」に泊まっているヘブンの、衝撃的な「朝食シーン」が話題になっています。彼は生卵をいくつも割って皿に入れ、一気に飲み干したほか、女中の「ウメ(演:野内まる)」が糸こんにゃくを出すと、「ムシ(虫)!」と怯えて腰を抜かしてしまいました。
特に「生卵一気飲み」の場面は、ボクシング映画『ロッキー』(1976年)の有名なシーンを思い出した人も多かったようで、SNSでは
「生卵飲み、ロッキーを思い出したよ」
「外国人で生卵いける人、ロッキー以来初めて見ました」
「ロッキーの大量生卵飲みを決めるヘブン先生が強烈で、その後の話が入ってこなかったw」
「生卵一気飲み、ヘブン先生は9個で、ロッキーは5個だから、ヘブン先生の圧勝」
といった声が相次いでいました。
このような一気飲みをしていたのかは不明ですが、ヘブンのモデル、ラフカディオ・ハーンさんは実際に卵好きだったそうで、朝から卵を5つも食べていたという逸話も残っています。松江に着いてからしばらく泊まっていた冨田旅館では、目玉焼きを作ってもらおうとしてもうまく伝わらず「エッグス・フーフー(卵の熱いの)」と言って、何とか分かってもらったこともあったそうです。
また、ハーンさんは1877年から住んでいたニューオーリンズに根付く多様な文化が入り混じるクレオール文化の料理に惹かれ、1885年にレシピをまとめた書籍『クレオール料理』を出版しており、そのなかには多種多様なオムレツの作り方も載っていました。
そのほか、ハーンさんの来日後初の著書『知られぬ日本の面影』でも、卵にまつわるエピソードが語られています。ハーンさんは松江市美保関町にある美保神社に行った際、神社の神様が鶏嫌いで美保関では鶏卵はタブーだという話を聞きました。その後、彼が泊まった旅館で何食わぬ顔で卵を頼んでみたところ、女中から代わりにアヒルの卵をもらったそうです。
ちなみに、糸こんにゃくが虫に見えて食べられないというのも、実際のエピソードに基づいています。ヘブンは「私の国にこういう虫が!」と言っていましたが、実際は1887年から2年間滞在した西インド諸島の仏領マルティニーク島にいた虫を思い出していたそうです。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
参考書籍:『セツと八雲』(著:小泉凡/朝日新聞出版)、『小泉八雲のレシピ帖』(著:ラフカディオ・ハーン/訳:鈴木あかね/監修:河島弘美/CEメディアハウス)
