プロレス界の台風の目として猛威を振るうように躍動中なのが、6月にプロレス団体DDTに入団した武知海青だ。LDH JAPANのダンス&ボーカルユニットTHE RAMPAGEのメンバーでもあり、異色の「二刀流レスラー」の誕生だった。
武知が参戦したDDTは、エンターテイメント性を重視した「文科系プロレス」とも言われる一方、レスラーの実力は本物。団体最高峰のベルト・KO-D無差別級王者のタイトルマッチでは、毎回、白熱した試合が繰り広げられる。目の肥えたプロレスファンに、「芸能人」が受け入れられるのか心配だったが、武知の動きはすでにプロレスラーだった。格闘技ライターはこう話す。
「ダンサーとプロレスラーでは体の作りが違います。特に相手の技を受けるには、脂肪の厚みが必要で、ギリシャ彫刻のような肉体美が弱点になることも。しかし、武知はハイブリットボディに仕上げて、受け身も板についてきました。攻撃では抜群の身体能力を生かし、ドロップキックの高さは業界内でもトップクラスを誇っています」
9月28日の後楽園ホール大会では、KO-D6人タッグ王座決定戦が行われ、武知は上野勇希&To-yとタッグを組み、岡谷英樹&MJポー&イルシオンと対戦。デビューからわずか5戦目でベルトを巻いた。武知の加入で観客席にも大きな変化が起き、DDTのチケットは飛ぶように売れていた。だが、ここで新たな問題も浮上する。
「一気に新規の女性客が増えたのは喜ばしいですが、武知人気がすごすぎて、既存のDDTファンがチケットを取りにくくなってしまったんです。さらに、もともとTHE RAMPAGEのファンは、彼の試合が終わると、残りの試合を観ないで帰ってしまい、観客の『分断』を生んだことも。ただ、最近では武知をきっかけに、DDTのレスラーにも興味を持つ人が増え、ファン同士の軋轢は徐々に収まってきているようです」(前出・格闘技ライター)
11月3日に開催されるビッグマッチ「Ultimate Party 2025」(東京・両国国技館)では、憧れていたIWGP世界ヘビー級王者のKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)とのタッグが実現。この先、「二刀流レスラー」はどこまで駆け上がるのか。
(海原牧人)

